歩いても完走?
マラソンを走るのに、人それぞれ、自分の目標があります。完走の定義も人それぞれです。そもそもマラソン大会によって、制限時間も異なリます。ホノルルマラソンは制限時間がありません。走ってもよし歩いてもよし、完走したい意思さえあれば、誰でも完走できます。
今シーズンのマラソンは、京都マラソン(令和7年2月16日)と姫路城マラソン(2月23日)に申し込み、幸運にも両方ともに当選しました。(最近、マラソン人気に翳りが・・・競争率が低くなっている?)どちらにエントリーするか迷ったあげく、大変申し訳ないと思いながら、両方ともに1万円振込みました。練習は令和6年10月18日、5km JOGより開始しました。練習メニューは、言わずとかな、世界一の!「超楽」マラソン練習法が僕のバイブルです。味噌は、走った距離や練習メニューをカレンダーに書き込むことで、モチベーションを維持できることです。
練習メニューには、JOG、LSD、ペース走、坂道ダッシュ(サブフォーには必須ではありません)があります。JOGは人それぞれ実力により変わりますが、気持ちよく走るペースで、現時点での私の力では7分/kmぐらいでしょうか。ゆっくり、長く走るLSDは7分30秒/kmぐらいです。LSDは、効果的な有酸素運動で、体脂肪率を下げ、毛細血管を発達させて筋持久力や酸素供給能力のアップ、乳酸処理システムの効率アップなどランナーの総合力アップに欠かせない重要な練習です。ペース走は目標タイムにもよりますが、サブフォーを目指すなら5分40秒ですが、コロナ禍でマラソン大会が中止された4年間のブランクが効いてか、正直、5分40秒でラップを刻むのは無理ですね。目標は、5時間ギリで、7分5秒/kmとしました。
練習では、JOGペースやLSDで走るのは楽しい?のですが、ペース走を一人でするのが、苦痛なわけです。今までもペース走は、ハーフマラソン大会に出場(応援の力も借りながら、みんなで走る)すれば、ペース走の練習をしながら、同時に21kmと距離も稼げるし、一石二鳥の練習になリます。今シーズンのハーフマラソンは、三田国際マスターズマラソンとたつの市梅と潮の香マラソンにエントリーしたのですが、誤算だったのは、令和6年12月10日にインフルエンザに罹患してしまい、三田(12月15日)を棄権したことで、ハーフマラソンが、たつの市の1本だけになってしまったことです。何とか200km/月(12月30日〜1月26日)はクリアはしたものの練習不足は否めません。
令和7年1月26日、たつの市梅と潮の香マラソン大会に参加しました。今シーズンの初めてのハーフマラソン大会で、十分に準備したつもりでしたが、久しぶりの大会で時計を忘れてしまいました。1km毎のラップが確認できなかったので、自分なりの感覚でペース走を行いましたが、結果は、2時間13分40秒。現時点での実力は、6分20秒/km、関門も意識しながらで、かなりショックなタイムです
たつの市梅と潮の香マラソンでは、タイムは遅かったのに、今シーズン初めてのハーフマラソンでのペース走としてかダメージは思ったよりキツく、しばらくは袋はぎの張りが残っていました。2月5日の練習中に、右下腿の下部(アキレス腱の付け根あたり)がピキッと音がして激痛が走り転けそうになりました。その後、数10m走ってみましたが、痛みが増強してきたので走るのをやめました。軽い肉離れ様の症状でしょうか。数日間、右下腿の痛みが残っていたので、しばらく練習を中断、2月11日にほぼ痛みもなくなって軽くJOGを再開、最初は大丈夫かなと思いましたが、800m過ぎたあたりから右下腿に違和感が出て、1kmすぎで右下腿の袋はぎ全体が痛くなってきたので、大事をとって走るのを止めました。この時点で京都マラソンまで5日前、膝の痛みを含め、あちこち痛いのは想定済みではありますが、今回の右下腿の痛みはちょっと心配な状況です。なるべく負担をかけずに様子を見ることにしました。
2月15日、前日にみやこめっせでランナー受付です。地下鉄東山駅から徒歩11分、無事にエントリーを済ませて、アスリートビブス(ゼッケン)計測チップ付きをゲットしました。四条河原町まで歩いてみましたが、足は何とか大丈夫そうです。明日の天気予報は雨です。
京都グランビアに宿泊しました。翌朝5時30分に起きると、曇天、雨は降っていません。軽くシャワーを浴びて、コップ一杯の水を飲んで、走る準備を整えて、京都駅6時50分発の直通バスで、たけびしスタジアム京都(西京極総合運動公園)に向かいます。
朝9時の気象状況は、天気:曇り時々晴れ、気温:7℃、湿度:86%、風速:西 1m/s、はっきり言って絶好のマラソン日和です。ずっと曇ってくれれば言うことなし!午前9時スタートです。
右足がどうなるかは、出たとこ勝負ですが、最悪、スタートして1kmほどで痛みが出るようなら、ダメージが大きくならないうちに早々にリタイアして(10回目のマラソンで初ですが)1週間後の姫路城マラソンに出場するというプランも頭の隅でちらつきながら、たけびしスタジアムを後にしました。(実は、今朝起きて、もしもザーザー振りの大雨ならば、京都マラソンはやめて、姫路城マラソンに切り替えるということも考えていました)ペースも元々は、たつの市梅と潮の香マラソンの6分20秒/kmぐらいで行く予定でしたが、今の足の負担も考えて、ちょっとゆっくりめで入って、20kmでのタイムは少し遅くなりますが、その後のペースダウンを抑えて、30km近くまでなるべく長く引っ張る感じのプランに切り替えて試して見ることにしました。1km過ぎても足の方は大丈夫そう、2km、3kmと恐る恐る走っていましたが、5kmを過ぎ渡月橋までOK、広沢池を過ぎ10kmの辺りで足の方はこれなら何とかいけそうかなって感じで、京都マラソンで勝負すると決めました。
京都マラソンのコース周辺には、天龍寺、仁和寺、龍安寺、金閣寺、上賀茂神社、下鴨神社、銀閣寺の7つの世界文化遺産が存在します。また、平野神社、わら天神、今宮神社、平安神宮など数多くの観光名所にも出会えます。嵐山・渡月橋を眺めながら桂川沿いを走り、その後、嵯峨野・広沢池を通過。平安の昔より景勝地として栄えたきぬかけの路で自然を感じ、京都府立植物園内や京都のシンボル鴨川沿い、さらには京都御苑の豊かな緑と歴史にふれながら走り、京都らしさを満喫できます。送り火の五山(鳥居形、左大文字、船形、妙法、大文字)を全て眺望することができるのも京都マラソンならではの醍醐味です。
6分50秒/kmぐらいのペースでゆっくり走ったにも関わらず、ハーフの時点で、既に足は残っておらず、早々と歩く羽目になりました。昨年の高知マラソンと同じ状況ですが、今回は、前述したように理想的な気象条件であり、何の言い訳もできません。まだ、42kmの半分しか終わっていません。普通ならこの時点で、あと21kmを走れる気が全くしない状況で、残りの距離を考えてしまうと、正常な頭で判断をすれば、諦めてリタイヤということなんですが、ここで何も考えないように無な精神状態にして、ひたすらに少しづつでも前に進みならが、唯々、時間が過ぎるのを待って、1km、1km繰り返すという技を身につけると何とか25kmをクリアし、植物園に入り27km、加茂川の河川敷30kmまで騙し騙し何とか辿り着きましたが、流石に足はもう限界か、歩いても回復せず、数mしか走れなくなってしまいしました。ここまででもうダメかなと思い始めていましたが、トイレ休憩で17分20秒/kmのタイムロス、取り返しがつかないなと思いながら走り始めると、じっとして休んだのが幸いだったのか、また足が動くようになって、36kmまで7分30秒/km前後で何とか走れて、残り全部歩いても何とか間に合いそうなところまで来ていと安心しました。残り1kmは止まらずに最後まで走りたいと思って、東大路通から平安神宮に曲がった時からは、自然に笑顔になって、5時間42分(ネットタイムは5時間31分12秒)でゴール。
フィニッシャータオルと完走メダルをゲット。制限時間まで残り10分ほどです。最後、制限時間は6時間と言いながら、ビタッと容赦なく切るのか興味があって見ていると、6時間が過ぎてもしばらくは「頑張れ、もう少し」などの声がかかって、6時間を過ぎても4分ほどまではゴールさせていました。速報版のWEB完走書を見ると、12325位 6時間1分44秒、6時間過ぎても4人ほど、完走書が発行されていました。ある程度途切れるまではゴールさせてくれているようでした。41kmの第8関門をクリア(午後2時49分)した人は、なるべくゴールさせたげる感じで、少しファジーな運用されているようで、ちょっと安心しました。
サブスリーを目指す強者はさておき、サブフォーを目指すのが、ランナーにとってのステイタス(約2割)になっています。サブフォーを目標に、2011年の篠山ABCマラソンから始まり、3回目の篠山ABCマラソンで初めて歩かずに完走、4回目の姫路城マラソン、5回目のかすみがうらマラソンでは、1分の壁に阻まれ、2018年の東京マラソンで、サブフォーを達成しました。今回で10回目のマラソンでしたが、今の目標は歩いてもいいから完走です。
本当に人は見かけではなく、こんな人にも抜かれる?って、日常ではわからない自分の立ち位置が客観的に実感できます。マラソンって人生に似ていて、休んでもいいけど少しずつでも前に進むこと、自分には嘘はつけませんし、他人との競争ではなくて、自分と向きあう時間なんですね。