目次
禁煙
「俺は好きでタバコを吸っているんやから放っといてくれ」果たして本当でしょうか? あなたは好きで吸っていると思っているだけで、実は吸わされているということに気がついていないだけではないですか。なぜなら「百害あって一利なし」タバコが体に悪いことは聞いたことがあるでしょう。では、やめたら・・・・。
なぜ、あなたはやめれないのでしょう。 「好きだから」「タバコがおいしい」・・・本当ですか?自らの意思でタバコを吸っていますか?いつ、毎日タバコを吸おうと決めましたか?タバコは習慣になっているから・・・。あなたが、弁当を買ってきましたが、箸が入っていません。どうしますか?とりあえずは、そのあたりを捜して、スプーンがなにかあれば、それで食べませんか?ごはんを箸で食べるのが習慣であったとしても、なければないでなんとかするものですよね。タバコがなかったらどうでしょうか?タバコを吸わなくても死にません。とりあえずは、体操したり、ガムかんだり、お風呂にはいったり、他のストレス解消法で代用も可能なはずですよね。もしあなたが、夜中にタバコをきらして、コンビニまで買いに行った経験があるなら、実はニコチン中毒にかかっているからです。医学的には立派な病気(ニコチン依存症)なのです。タバコにしてやられているのです。麻薬といっしょです。
イライラするからタバコを吸う → タバコを吸うといい考 えが浮かぶ、仕事がはかどる・・・。本当でしょうか? なぜ、イライラするのでしょう? いい考えが浮かばないから? 違います。ニコチンが切れいているからです。体がニコチンを欲しがっているのです。 タバコをやめたら、ニコチンが切れてイライラすることもなくなります。タバコにいい考えが浮かぶという魔法のような力はありません。それがあなたの実力なんです。 仕事がはかどる? その前に考えてみましょう。 1日タバコを20本吸うと、1本で5分間として、現実は 1時間40分も仕事をさぼっているということです。やめ た方がもっと仕事ははかどると思いませんか。
あなたは、今日は楽しいデートです。恋人といっしょにディナーに来ています。話も弾み、食後にデザートを待っています。しかし、なにか物足りないと感じています。あっタバコと思った瞬間、気が気でありません。ちょっとトイレにと席を外して、喫煙場所を探してタバコを吸います。あ〜幸せ。あなたは山に登っています。一生懸命、汗だくだくで登っています。やっと頂上にたどり着きました。絶景です。ヤッターと思った瞬間、タバコっと思います。しかし、捜してもタバコが見あたりません。忘れてきたようです。さっきまでの最高の気分は半減です。どうでしょうか?ちょっとおかしいと思いませんか。楽しいデート、山登り、タバコを吸わない人ならそれだけで楽しい気持ちになって大満足なはずなのに、あなたは、どうでしょう。タバコがなければ、なにも楽しめない脳になってしまっているのです。タバコを止めると言うことは、タバコから解放される、タバコなしでも幸せと感じられる普通の状態に戻ると言うことです。
偉そうなことを言っておりますが、私自身も医学教育でタバコの害をまともに習った覚えはなく、いま持っている知識の大半は開業してから勉強したものです。だから、ましてや一般の方がタバコの害についてあまり知識を持たないのも当然のことだと思います。「タバコは20歳から、だから子どもは駄目だ」などという教育は全く意味をなしません。タバコは何歳でもダメなんです。 禁煙治療は、健康保険の適応にもなっています。「ちょっと禁煙してみようかなあ」と思われたら、いつでも相談にのります。
タバコの歴史
さて、タバコが体に悪いということは、みんなが知っていることながら、どうしてタバコが堂々と売られているのか、なぜ日本がこういった状況に陥っているのか? まずは、タバコの歴史について勉強してみましょう。
タバコはどこからきたのか?現在、世界で栽培されているタバコ(ニコチアナ・タバカムとニコチアナ・ルスチカの2種類)の原産地は、アメリカです。アメリカ先住民たちは、精霊たちへの贈り物として宗教的な儀式で用いられていました。
1492年、コロンブス以後、タバコは疲れを癒し、痛みを和らげてくれる優れた薬効を持つ薬草として、16世紀に戦争に従事した兵士たちにより、ヨーロッパ全土に広がっていきました。万能薬として世界中に広がっていったタバコですが、一方で政治的、宗教的に強い拒絶にも遭遇しています。しかし、ヨーロッパ列強の植民地支配の基礎はタバコで築かれていったのです。
タバコの薬理作用のもととなる物質は、植物塩基を分離したジャン・ニコに因んで「ニコチン」と命名されました。
アジアにたばこがもたらされたのは、メキシコを植民地としたスペインからフィリピンに到達し、1601年、鉄砲といっしょに日本に伝えられました。日本ではキセルとして広がり、江戸時代には「一服する」「たばこにする」など庶民の間に広く定着していきました。
1850年頃からアメリカでは、後にタバコ王と称されたデューク(後に郷里にデューク大学を創設)がシガレットと呼ばれる紙巻きタバコの大量生産を始めます。日本でも明治時代に、外国のシガレットタバコが輸入され、村井兄弟商会が日本製の紙巻きタバコも生産するようになりました。一方、日清戦争、日露戦争の戦費調達のため、国がタバコの製造専売を行うようになり、村井兄弟商会の経営権を外国の会社に買収されそうになり、民族資本を守という大義名分も加わって、葉煙草専売法が成立し、以後80年間続くタバコの専売制度がスタートしたわけです。
タバコは500年前にアメリカから全世界に「薬」として広がり、癒し、愉しみなど、人々の生活に様々な彩りを添え、長い間、世界中で愛されてきた「タバコ文化」としての歴史があるのです。
タバコは19世紀に入ってからも、まだ疫病の予防効果などが信じられていましたが、1962年、大規模な疫学調査より、イギリス王位内科医師会、1964年、アメリカ公衆衛生総監の諮問委員会がシガレットタバコの喫煙が肺がんによる死亡の増加の要因であると報告されました。
その後、アメリカなどの先進国では、タバコが毒物だとわかり、規制されていたのに、日本では、その事実を隠して、国がタバコを売りつづけて、もうけていました。(薬害エイズ、C型肝炎と同じ構図ですよね)輸入タバコの関税への外圧に耐えかねて、1985年、日本専売公社は日本たばこ産業(JT)に民営化されました。
JT本社ビル(東京都港区)
タバコを売る会社が、未だ利益を伸ばして優良企業で居続ける国です。
JTは、たくさんのテレビ番組のスポンサーになり、メディアも言いなりです。JTと国はタッグを組んで(JTは、民営化されたとはいえ財務省が過半数の株を保有しています)タバコ業界を守っているのです。昔、自分が売っていたという負い目、目先の税収のため・・・。国は、全く本気でタバコを止める気があるとは思えない態度です。当然、国民に対しても弱腰です。
軽く考えていませんか?
日本のように、国を挙げてタバコに甘い社会環境においては、国民は、タバコの本当の正体について知る機会が少なく、タバコに対して軽く考えてしまうように洗脳されているのです。
マラソンコースにある小学校です。(神岡小学校ではありません)少年野球をやっています。コーチはボランティア?のお兄ちゃん達ですが、休憩時間には、タバコを吸いながら子供たちと談笑しています。この小学生達にとって、コーチは憧れの人達です。スポーツを通して、タバコが伝染していく典型例ですね。残念!!
学校も敷地内禁煙となり、タバコを吸われる先生方が、学校の外で並んでタバコを吸っている情けない姿が見られるようになりました。先生も好んでしている訳ではないのでしょうが、我慢できない、タバコはこんなにも先生の尊厳というものを地に貶める力を持っているんですね。
駅の待合です。冬で外はちょっと寒いので、子どもを禁煙コーナーに連れて入っています。我慢できないんですね。なにを勘違いしているのでしょうか? 結構、社会的には立派な人?にもこんな判断をさせてしまうんですね。
未成年のタバコ
未成年がタバコを吸うようになる原因はなんでしょう。ひとつは親が吸うことと(家にタバコがあること)もうひとつは、自動販売機の威力です。
未成年の喫煙経験率
たつの市のような田舎と都会では、未成年の喫煙率は違うのではないかと思い、高校1年生のクラスでアンケート調査を行いました。喫煙率は19.4%(14/72名)ほぼ同じ結果でした。やはり、田舎といえどもタバコの児童販売機はたくさんあるし、日本全国、親の喫煙率もそう変わらない状況では、あまり差がないのも当然の結果かも知れません。
児童販売機と揶揄されています。
お使いで、お父さんのタバコを買っています。
日本も署名している「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の締約国の義務として未成年者による自動販売機でのたばこの購入を防ぐ事を要求されています。日本国内では2008年7月以降、順次、2008年より、タスポカードがないと自動販売機でタバコを買うことができなくなりました。若者や子どもたちがタバコの害についての真実を知るようになれば、(そういった教育ができていない)タバコという高い依存性のある「商品」により身を滅ぼす選択をしなくようになるでしょう。
たばこ規制枠組み条約
日本がたばこ規制枠組み条約を批准していることって、どれくらいの国民に周知されているのでしょうか?誰も知らないと言ってもいいくらいではないでしょうか。この新聞にも書いていあるように、喫煙大国日本で、日本は、本当にできるのでしょうか? 国際的な約束なので、恥ずかしくないように行動を起こして頂きたいものです。
主な内容ですが、上から第6条、概ね1000円ぐらいに値上げすると喫煙率は半減するとわかっているのですが、目の前の税収が大事なようです(肺がんの治療費や労働損失で結局は赤字なのはわかっているのですが)第8条、日本できているのは神奈川県と兵庫県の公立の学校ぐらいでしょうか?全くできてません。第11条、日本のタバコの包装はまるでお菓子のように綺麗に飾ってますよね。諸外国とは雲泥の差です。第12条、教育、啓発はまだまだですが、タバコを吸いにくい環境にはなってきていますよね。第13条、JTまだCMやってますよね。タバコだかなんだかわからないような、普通の先進国では全面禁止です。第14条、禁煙治療をできる(保険診療)医療機関は、まだまだ1〜2割です。これってどういうこと、医者自身がこれじゃ、一般の人にとやかく言う資格はありませんね。第16条、これは一応できてますよね。(これだけっていうのも寂しいものです)第17条、全く進んでいません。国策でタバコを売っていた日本です。タバコ栽培している人に何の責任もありません。たばこ議員連盟の皆さんも被害者救済をしっかりしてもらいたいものです。
兵庫県受動喫煙防止条例について
たばこ規制枠組み条約を遵守すべく、国がなかなか動かない中、2010年に神奈川県が独自で「受動喫煙防止条例」に踏み出した。兵庫県も更に前進した制度をとの旗振りのもと、委員会が設置され、不特定多数が出入りする民間施設も含めた「原則禁煙」の方針を条例化するべきとの答申をおこなったにもかかわらず、厚労省の「公共的施設は原則全面禁煙であるべき」との通知(平成22年2月25日付)をも全く無視した、分煙を推進するような骨抜きの内容になってしまいました。分煙が無効という概念は、WHOや米国公衆衛生監も明言する公衆衛生の常識であり、先進国では酒場や宿泊施設の禁煙はあたりまえです。またもは「世界の常識は、日本の非常識」という形になってしまいました。話し合いは大事ですが、最後に決めるのは、声なき市民の代弁者でなければならない行政が、利益団体の顔色を伺う悪しき慣行が見え隠れします。しかし、まずは日本で2番目に受動喫煙の防止等に関する条例を制定したことを評価し、さらに神奈川県より一歩でも進んで、保育所、幼稚園、小・中・高校の敷地内禁煙にしたことは良かったと思います。兵庫県医師会もかなり痛切に批判のコメントを出していますが、病院、診療所を敷地内禁煙にせず、他の業種のみなさんに禁煙を強要するのは、ちょっと虫が良すぎる感じで、全く説得力がありません。まずは隗より始めよとも言われるように、まずは医療従事者が率先して禁煙に取り組むという姿勢が大事ではないでしょうか。
「何が問題かわからない」
インドネシアで2歳の男の子がタバコを吸っている動画がYou tubeで流されました。この男の子は、南スマトラ島の漁村に住むArdi Rizal君。1日40本吸うヘビースモーカーです。その貫禄たるや2歳の子どもには到底見えません。今では、タバコを与えないと泣き叫んで癇癪を起こし、壁に頭をぶつけて抗議するしまつです。「信じられない」「虐待だ」「世界最悪の両親」とのコメントが並びますが、当の父親は「何が問題かわからない」と話しています。さて、日本でこの映像をみて、真っ正面から批判できるでしょうか?日本のJTが、国内でタバコが売れなくなってきたので、中国やインドネシアなどの東南アジアのまだ教育レベルが十分でない(タバコの害が知られていない)国々を相手にタバコを売りさばいているのです。こんなことが人道的に許されるのでしょうか?自分の利益のことだけ考えて、他人に毒物を売って儲けるなんて、普通の感覚だとは思えません。さすがに、今の時代、日本では我が子をネットに流そうものなら袋だたきに会うことぐらいはわかっているようで、そのようなことはしないかもしれませんが、まだまだタバコに対する認識が甘く、タバコが机の上に平気で置いてある日本の家庭では、今でも子供がタバコを吸っているような光景は珍しくはないのでないでしょうか。(子供は好奇心の塊です。大人の真似をしたがるのですから)〜2010年〜
ニコチン依存症はまだまだ知られていない
喫煙は病気です。だから治療が必要なんです。
停学ではなくて、病院へ
喫煙は、ニコチン依存症(病気)です。罰則を与えて、治るものではありません。それは、学校の外に並んで、タバコを吸っている先生方が一番、わかっているのではないでしょうか。停学にするのではなく、病院へ行って治療するように指導するのが正しい処方箋です。
タバコから薬物へ
ニコチンは「物質」心を変化させる「薬物」だからすべての薬物の「入門」になります。毎日吸う子の3人に1人がシンナーまでいってしまう。(最近はシンナーはださいらしく、脱法ドラッグ)タバコを吸わない子がシンナーにいくことはありません。
若い女性のタバコ
年齢階級別の女性の喫煙率の変化です。
最近は、若い女性の喫煙率の増加も頭打ちになってきています。
特に20代30代の子育て世代の女性の喫煙は、大きな問題として取り上げられております。
妊婦の喫煙による子供への影響
おなかの赤ちゃんには逃げ場がありません。

- 10本以上喫煙していると、未熟児が増えます。
- 10本以上喫煙 していると、子供の身長は、伸びません。

- 10本以上喫煙していると、子供の知能は、低くなっています。
- お母さんがタバコを吸っていると、生まれてきた女児は将来、不妊になり やすい。好きな人との間に子供ができない。その悲しみを想像してみて下さい。
- お母さんがタバコを吸っていると、生まれて来た子どもがADHD(注意欠陥多動性障害=集中力や落ち着きがなく、授業中もじっとしていられない児童)になる率が2~3倍に増えます。また「行為障害」(重大な非行、犯罪を起こしたり、反社会的人格)になる率も2~4倍に増えます。子供に勉強せいという前に、タバコをやめましょう。
「綺麗になりませんか」
ネガティブ情報ばかりお話ししても、なかなか食いついてくれません。
さてクイズです。イギリスの禁煙キャンペーンのポスターです。
Q:このお二人の関係は?
親子、姉妹、双子、化粧の前後
A:実は双子の40歳の姉妹です。
喫煙者と非喫煙者、タバコはお肌の大敵ですよ。
「日本の女性は美しい」 決して資生堂の回し者ではありません。
タバコを吸うと美容における多くのデメリットが発生します。
肌はくすみ、シミやしわが増えていきます。また、スモーカーズフェイスという喫煙者特有の顔立ちやしわがれ声、口臭や歯・歯肉の着色等も引き起こしてしまいます。若さ、美しさを守るためには、まず禁煙からスタートすることが大切です。
若い女の子に対する殺し文句は?
先日、産婦人科の先生からの質問がありました。
「妊婦やお母さんには、こどもに対するタバコの影響などを話できますが、クラミジア感染症などで受診する中学、高校生ぐらいの女子に対しては、どういった声かけが有効でしょうか? 肌がきれいになるや、癌などについては、ちょっと実感できる年齢でもないですし。若い女子に対する殺し文句などがあれば・・・」
この答は、難しいですよね。これを言ったら、みんながタバコを止めるというような魔法の言葉なんてありませんよね。殺し文句というのは、人それぞれ違うんでしょうね。高橋先生の禁煙外来の子供たちをもう一度、読み返してみました。彼氏のことだったり、自分への自信の回復であったり、人からほめられたこと、不便さの解消だったり、切れやすい性格がタバコのせいと気がついたり、臭いと言われることや髪の毛が薄くなってきたことだったりするかもしれません。ドアノブクエスチョンではありませんが、手順書だけでやっていたのでは、彼女の心に届く言葉は、みつからないかもしれませんね。
看護師ひとこと集
禁煙する気のない人には「もし今後、禁煙に興味がわいたら、いつでも声をかけて下さいね。禁煙の飲み薬やパッチを使うと、自力でするよりずっと楽に禁煙できますよ」
禁煙する気はあるがすぐにではない人には「○○さんは、高血圧の薬を飲んでますよね。でもタバコを吸っていると脳卒中や心筋梗塞がおこりやすくなるので、せっかく治療しているのにもったいないですよね」
すぐに禁煙したい人には「思ったが吉日、この機会に禁煙治療を受けてみませんか?健康保険も使えますし、薬を飲んだ方が自力でするよりもすっと楽に禁煙できますよ。私たち看護師もサポートさせていただきます」
禁煙に何度も失敗している人には「禁煙は1回で成功することは少なく普通は2〜3回の失敗を繰り返します。自転車の練習と同じで失敗の数だけ何が悪かったのか気づき、成功につながると思いますよ」
体重が増加している人には「禁煙中多くの方は体重が2〜4kg増加します。しかし体重が増加するデメリットよりも禁煙のメリットの方がはるかに大きいですよ。健康な元の自分に戻ったと考えましょう。体重管理は、禁煙が安定したら徐々に行っていきましょう」
ニコチンの離脱症状を心配している人には「薬を飲むとつらい離脱症状を抑えられるので自力でするよりずっと楽に禁煙できますよ。離脱症状のピークは禁煙開始後2〜3日ですから3日間過ぎたら一番の山は越えたと思っていいですよ」
禁煙するとストレスが増えると心配している人には「禁煙することで肩身の狭い思いをしなくなったり、吸える場所をさがさなくてよくなったりと実はストレス度が下がっていることが多いと皆さんおっしゃいますよ。ニコチン切れ自体がストレスの本性だったわけですからそれが解消されれば、ストレスは必ず減りますよ」
1本ぐらい吸っても大丈夫かなと行っている人には「タバコを1本吸ったらもとのもくあみですよ。必ずもう1本ほしくなるように作られています。その1本が命取りです。今までの努力を思い出し、誘惑に負けないようにしましょう」
お酒の席で吸ってしまいそうと言う人には「お酒の席は再喫煙の一番の原因です。禁煙中であることを宣言し、タバコを吸わない人の隣に座ること、深酒は避けるようにしましょう」
今更禁煙しても遅いのではと言う人には「禁煙を始めるのに遅すぎるということはありません。もちろん禁煙することで今まで吸ってきたことがチャラになるわけではありませんが、いつから始めても禁煙開始直後から味覚や臭覚、咳、痰など効果はあらわれはじめますよ」
治療中に1本も吸っていない人には、すかさず「1本もすっていないなんてすごいっ!!」
最終回、禁煙が成功した人には「今日で禁煙治療は完了です。おめでとうございます」
道上洋三曰く「今日も元気だ、タバコ買うまい」拍手
昭和32年、日本が高度成長期に入っていく時代、元気いっぱいの働くおじさんが「今日も元気だ、タバコがうまい」一世風靡したコピーです。この時代、成人男性の喫煙率は80%を優に超えていました。つまり、大人になったらタバコを吸うというのは、当たり前の時代。大人のステイタスとしてタバコというアイテムがありました。
喫煙率
JTの「平成21年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の平均喫煙率は38.9%でした。これは、昭和40年以降のピーク時(昭和41年)の 83.7%と比較すると、43年間で44.8ポイント減少したことになります。成人男性の喫煙率は、この18年間、減少し続けていますが、諸外国と比べると、未だ高い状況にあります。これに対し、成人女性の平均喫煙率は11.9%であり、ピーク時(昭和41年)より漸減しているものの、ほぼ横ばいといった状況ですが、若い世代で増えているのが気になりますよね。

タバコと疾患
喫煙は、さまざまながんの原因の中で、予防可能な最大の原因です。日本の研究では、がんの死亡のうち、男性で40%、女性で5%は喫煙が原因だと考えられています。特に肺がんは喫煙との関連が強く、非喫煙者を1とした場合、喫煙者の死亡の相対危険度は、男性で4.5、女性では2.3倍になります。がん全体では、男性で1.5、女性で1.6倍になっています。
喫煙率を肺がんの因果関係については、複数の質の良いコホート研究で証明されています。喫煙と肺がんの発症には20〜30年のタイムラグがあります。肺がんが、従来から日本で一番多かった胃がんを抜いてトップになります。
平成11年4月3日(朝日新聞)
1日の喫煙本数が多いほど肺がん死亡リスクが高まります。
受動喫煙での血管収縮です。血管が詰まるのもわかります。
1日の喫煙本数が多いほど虚血性心疾患 の死亡リスクが高まります。
虚血性心疾患の死亡リスク
1日20本のたばこを吸う男性は、吸わない男性に比べ、肺がんで4.5倍死亡率が高くなりますが、禁煙をすれば5年でその危険度が半分、10年たつと、吸わない人と同程度にまで危険度を大きく下げられます。虚血性心疾患も同様です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、たばこ病といわれています。
「遅すぎる禁煙」はない 
「今更、禁煙しても・・・」という気持ちもわかります。しかし、禁煙すると肺がんのリスクも数年で半分近く減少すると言われています。高齢者の方で、禁煙外来に来られる方もいますが、かっこいいと思います。尊敬します。
禁煙に限らず、人生において、志を立てて挑戦しようとすることに遅すぎることはありません。50歳になって英語を勉強する、60歳になって絵を描いてみる。遅すぎる禁煙もありません。なにかのきっかけで、銀婚式、金婚式、孫が喘息になったなど禁煙にトライしてみませんか。タバコに縛られない第3の人生も味わってみませんか。
高橋裕子先生(奈良女子大)の講演でいいお話がありました。ある患者さんで1日に40本以上吸われるヘビースモーカーのおじいちゃんがおられました。禁煙外来に通院され、何回かトライされましたが、やめることが出来ませんでした。そしてやがて肺がんが見つかりました。それでもしばらく吸っておられましたが、いよいよ末期になって最後は家で迎えたいと在宅診療で帰られました。家に帰られてからおじいちゃんは、禁煙すると言われてタバコをやめました。お孫さんもヘビースモーカーで、おじいちゃんに「もうちょっとしか生きられへんのに、今更、やめてどうするの。吸いたいんやったら、がまんせんと吸ったらええやん」と言いました。おじいちゃんは言いました。「俺はこうなるまでやめれんかった。そやけどな、今は止めると決めたから吸わへんのや」と言って、それからは1本もタバコを吸わないで2週間後に亡くなったそうです。おじいちゃんの49日が終わって、高橋先生の禁煙外来にお孫さんが来られたそうです。おじいちゃんは、僕には、タバコのことは一言も言わなかったけれど、きっと僕にタバコを止めてほしかったんやと思います。だから、ちょっと頑張ってみようかなあと思います。このお話を聞いて、人間ってすごいなあと思いました。残りの時間が後わずかしかないとわかった時点でも、自分のことではなく、他人のことを思いやれる。人生には大きな分岐点がいくつかあります。就職や結婚は最たるものですが、タバコを吸うか吸わないかという選択も後々の人生に大きな影響を与えます。おじいちゃんがは、お孫さんがタバコを吸わない人生をプレゼントできるかもしれません。残された2週間、禁煙すると決めたおじいちゃんはかっこいいなあと思いました。開業してから、がんの末期の患者さんの看取りをしていて、みんな最後までしっかり生きられる。人間って、死ぬ間際まで笑っていられるんです。
心の準備ができたら、いっしょに禁煙してみませんか? Welcome to 禁煙外来
受動喫煙
タバコの煙には4000種類の化学物質が含まれ、そのうち200種類以上は有害物質、40〜60種類の発がん物質が含まれています。タバコに含まれている発がん物質の中でも芳香族炭化水素に属するベンゾピレンとニコチンから喫煙の過程で精製されるニトロソアミンの一種である4-methylnitrosamino(3-pyridyl)-1-butanone(NKK)が特に強力なものとして知られている。これらの物質がチトクローム系で代謝されて生じる活性化体が、DNAの塩基配列にエラーを生じて、こうした遺伝子障害が細胞内に蓄積されて、最終的にがん化する機序が発がんのメカニズムとして有力視されています。
タバコの煙には、喫煙者が吸煙(肺の中に吸入される煙)する主流煙と副流煙(火のついて先端から立ちのぼる煙)の二種類があります。
主流煙は高温燃焼時(約900℃)で、自然燃焼の低温燃焼(約600℃)副流煙の方が多くの有害物質、発がん物質を含んでいるとされています。これが、周囲の非喫煙者にも影響を与えます。自分はタバコを吸わなくても、喫煙者の近くにいるだけで、副流煙を吸わされることを受動喫煙と言います。
タバコの三大有害物質
タバコの煙には、依存症を引きおこすニコチン、発ガン物質の塊であるタール、酸素欠乏を起こす一酸化炭素を三大有害物質といいますが、その他にも様々な有害物質が含まれています。
- ニコチン
ニコチンはニコチン依存を引き起こす原因物質で、中枢神経系に作用し、少量では興奮作用、大量では鎮静作用を示します。喫煙により、肺から速やかに吸収され全身に広がり、間接的には血管収縮作用ももたらします。
- タール
タールはフィルターに茶色く付着するいわゆるヤニのようなべっとりしたもので、粒子相の総称です。タールには発ガン物質として有名なベンツピレンをはじめ、アミン類など数十種類の発ガン物質が含まれています。
- 一酸化炭素
一酸化炭素はタバコの葉が不完全燃焼を起こすことによって生じる有毒物質です。酸素の180〜200倍の結合能でヘモグロビンと結合します。それによって血液の酸素運搬機能が阻害され、組織の酸素欠乏を引き起こします。
あかちゃんには、逃げ場はありません。
母親が喫煙している場合、非喫煙者の母親と比べて幼児(3歳児)が有喘息様気管支炎にかかる割合が4.9倍に増えます。
SIDS(乳幼児突然死症候群)は、元気だったベビーが突然呼吸停止を起こして死亡する疾患で、生後1~6ヵ月のベビーに多く、わが国でも年間数百名が死亡していますが、親の喫煙が危険因子であることがわかっています。
乳幼児の誤嚥事故の原因として、タバコが約半数を占める。乳幼児にとって、タバコ1本食べると致死量です。
事故は子どもにとって一番の健康問題
「ちょっと目を離したスキに」「出かけようとしてバタバタしていたら」「たまたま電話がかかってきて」「動けないはずなのに」「おとなしいのでおかしいと思ったら」などなど・・・事故が運悪くおこったように言われますが、事故は起こるべくして起こっているわけで、事故は必ず起こるということを大前提に(運良く事故に遭わなかったというほうがより現実に合った表現です)予防策を考えなければなりません。家にタバコがなければ、タバコの誤嚥事故はおこりようがありません。ちなみに、不慮の事故の内で死亡原因となっているのは、交通事故です。
これだけ世話をかけた自分の嫁さんが肺がんになったら・・・
夫の喫煙が妻の肺がんリスクを高めます。1日20本未満で1.7倍、20本以上で2.2倍、夫の喫煙本数が多いほど妻のがん発生が高いことがわかりました。
「公務員辞めて・・・」やりすぎ? あたりまえ?
そもそもこの問題は、児童福祉施設の職員が子どもに刺青を見せておどかしたというのが発端です。今の時代、tattooはファッションとして珍しくもないというご意見もあるでしょう。医者も茶髪の時代です?。しかし、刺青をして、営業ができるほどは(ゴルフ場のお風呂も刺青禁止です)社会に許容されているとは思えません。確かに今の時代、刺青を入れること自体は、個人の自由です。しかし、社会のルールとしてその結果、起こりうる社会的な責任は引き受ける覚悟がなければなりません。君が代条例の時にも言ってました、橋本さん曰く「公務員を辞めて、個性を発揮してもらえればいい」あなたは、賛成?反対?
2013年、北海道のアイヌ民族会との文化交流のため来日していたニュージーランドの先住民族マオリの女性が、民族伝統の入れ墨にもかかわらず、それを理由に温泉施設での入浴を拒絶された事件がありました。2014年には、脳科学者の茂木健一郎氏が「刺青は入浴お断りという不当な差別をしている限り、日本の温泉の世界遺産登録は無理だね」と投稿し、賛否両論が巻き起こりました。また、今夏にも東京サマーランド(東京あきるの市)が、公式ブログで「イレズミを身体に入れる自由があるようにイレズミの方の入園をお断りする自由もある」と書いています。これってたばこを吸う権利を主張しているのと似ているような気もします。
今年(平成30年)東京マラソン走ってきました。サブ4達成しました。それは置いといて、走った後、銭湯に行くのが楽しみです。今年も御徒町の燕湯に行ってきました。東京の銭湯ではモンモンの入った人も時々見かけるし、ゴルフ場以外で入浴お断りという張り紙を見たことがないような気がして調べてみました。入れ墨やタトゥーの入った客を拒否している施設の多くは、日帰り温泉やスーパー銭湯といった温泉施設で(僕自身はあまり行ったことがありません)町の銭湯では、入れ墨を入れているからといって、入浴を断ることを法律で禁止されているようです。これは、自宅にお風呂がのない時代に銭湯が入れ墨を理由に入浴を断れば「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めた憲法25条の「生存権」に抵触する可能性があるようです。一般公衆浴場である銭湯には、行政から補助金が降り、水道料金も実質的にほぼ無料で使用できるところが多いようで、東京都ならば460円と入浴料金が都道府県で一律に価格統制されていますが、その他の公衆浴場であるスーパー銭湯などは、行政からの補助金もない完全な民間企業であり、入浴料も自由に設定できれば、アルコールを提供したりリラクゼーション設備を備えていたりと「健康で文化的な最低限度の生活」には直接関係のないレジャー施設であるため入浴を拒否しても生存権の侵害には当たらないという解釈がなされているようです。
昨年10月、観光庁が全国のホテルや旅館、約3800施設に対して実施したアンケートでは、入れ墨・タトゥーがある客の入浴について約56%の施設が拒否と回答している一方、拒否していない施設は約31%で、シールで隠す等の条件付きで許可している施設が約13%という結果でした。結構、大丈夫な施設もあるんだなあという印象です。
東京五輪に向け、日本の観光庁は、外国人観光客の受け入れ促進の一環として、温泉などの入浴施設に入れ墨(タトゥー)のある人の入場規制を緩和するよう業界全体で前向きな議論を促しています。日本では、入れ墨が犯罪組織「ヤクザ」の構成員に関連付けられることが多く、悪いイメージがつきまとうため、偏見や嫌悪感を抱く人が多いこともまた事実で、多くの入浴施設は利用客の反応を心配して、入れ墨のある人を入場禁止にしています。しかし、観光庁は、外国人と日本人で入れ墨に対する考え方に文化的な違いがあるとした上で外国人旅行者が急増するなか、入れ墨がある外国人旅行者と入浴施設の相互の摩擦を避けられるよう促していく必要があるとの考えを示しています。観光庁の呼びかけに法的拘束力はないものの、対応例として入れ墨を隠すパッチの提供、入れ墨があっても入場できる時間帯の設定などを提案しています。それを受けて、旅館やスーパー銭湯の中にも星野リゾートやおふろcafé utataneでは、入れ墨のある客も、シールでカバーすることを条件に入浴を許可する動きが出てきています。
さて、大阪交通局の職員がタバコを吸ったということで、1年の停職という処分がありました。これは、どうでしょうか?。厳しすぎるという意見もありますが、刺青は、自分で責任をとれば、誰に迷惑をかけるというものではありませんが、タバコは、地下鉄の火災になれば、ごめんなさいでは済みません。自分の子どもが誤飲すれば、死ぬかもしれません。ご自身の健康のため、医学的にやめた方がいいですよというのはちょっと置いておいて、やはり、一番大切な自分の家族への害はもとより、関係ない他人に対しても害を及ぼしている受動喫煙の問題を見ても、タバコは、刺青よりもたちが悪いと思いませんか?
生涯リスク
空気や水を汚染する有害物質の許容基準は生涯リスクとして10万人あたり1人以下を有害物質規制基準として定められています。ある有害な物質がふくまれている空気、水、たべものを一生からだにとりいれつづけても、その有害物質が原因で、ガンなどの病気で10万人のうち1人以上死んではいけないと基準です。
たとえば、ダイオキシンや電磁波の健康影響のありなしの判断も、生涯リスクとして10万人中1人以上犠牲者がでる可能性があるかどうかがめやすとなります。10万人を一生追跡して1人の犠牲者が出た場合、「10万人あたりの生涯リスクは1人」と言います。日本国内でタバコ病死は年間11万4千人(毎日300人強)、受動喫煙による死亡も約2万人、合わせて毎年13万人以上の人がタバコの犠牲になっている。これは決して自然死ではありません。

アスベストの処理に完全防備して行っている映像がよくニュースで流れていました。タバコの煙でいっぱいの職員室に入る児童も完全防備が必要ですなんてね。
百害あって一利なし
◎肺がん、胃がん、喉頭がん・・・が減る
◎心筋梗塞、狭心症が減る
◎慢性閉塞性肺障害が減る。 咳が出なくなる、息切れが減る
◎子供の喘息がよくなる。
◎乳幼児突然症候群、 乳児の誤飲事故が減る。
◎1本で5分。仕事の能率があがる。
◎歯周病が減る
◎ご飯もおいしくなる。
◎1日1箱でも1年で約10万円。
◎火事が減る。
◎家族から喜ばれる
などなど、
今まで、つらつらといろいろ述べてきましたが、タバコは「百害あって一利なし」
止めれば、良いことずくめであります。是非、一考あれ。
日本人の死亡原因を分析した最近の研究によると、喫煙者の喫煙による超過死亡数は12.9万人で、高血圧を抑えて第1位となっている。喫煙は、世界保健機関において「病気の原因のなかで 予防可能な最大の単一の原因」として位置づけられている。我が国は、マスメディアを含め、喫煙者に対し寛容 な社会認識があるが、やっと平成14年7月、受動喫煙を防止するための健康増進法が制定され、平成17年2月には、次世代を保護するためにたばこ規制枠組条約が発効された。一方、平成18年4月から禁煙治療に対する保険適用が認められ、5年が経過したにもかかわらず、禁煙外来保険診療医療機関はわずか11.8%に過ぎない。(兵庫県は、全国21位 12.4%)我が国のほとんどの医療機関は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療には積極的に介入している。しかし一方、たばこが、がんや脳卒中、心筋梗塞だけでなく、慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息、歯科口腔疾患などの 様々な病気の危険因子であることを承知しているにもかかわらず、禁煙治療を行う医療機関が少ない。これは、施設基準の届け出が必要なこともその一因ではあるが、 医学教育においてたばこについての体系的なプログラムが用意されていないこともあって、一部の禁煙推進に積極的な医師を除き、たばこに対する関心や意識が低いことが一因と思われた。
一石二鳥
会社の健康診断で高血圧や高脂血症で引っかかって、会社から言われて嫌々受診される方もおられます。一通りの説明はさせていただきますが、自覚症状もなく、疾病については無関心期であり、馬耳東風の構えです。こういった方々でタバコを吸われる時はこの図をみせて「もし、タバコを止められたら、病気の方は、ご希望通り、薬を飲まなくても、おつりが来るかもしれませんよ。お金も貯まるし、一石二鳥ですね」とお話ししております。
喫煙者の言い訳
Q タバコを買って、税金 払っているんだから文句を言われる筋合いはない。

A 実は税金の収益異以上に肺がんになってかかる医療費など支出の方が多くて赤字なんです。日本のタバコは安くて1000円ぐらいにしないともとはとれない。(そういう問題ではないが・・・)
Q 軽いタバコを吸っているので大丈夫?
A 軽いタバコというのは、特別な葉を使ってるわけではなく、フィルターに小さな穴を沢山空けて一緒に吸い込んだ空気によって煙が薄まるというからくりになっています。たばこを吸う本人はニコチンが欲しくて吸うわけだから、薄 まったこの煙を吸ったとしても、自分が満足するだけのニコチンを得ようとして無意識に深く吸い込んだり、実際にはこの穴を指や唇でふさいで吸ったり、肺に長く留めたり、本数を増やしたりして自分で無意識に調節しています。また、煙を肺の奥まで吸い込むことによるためか、末梢発生の腺癌が増加しているという報告もある。
1mgのトリックとハイテクタバコ
タバコの葉に、1mgの葉っぱ、10mgの葉っぱがあるわけではありません。みんな同じです。それでは、なぜマイルドとかライトなど、軽いタバコがあるのでしょうか。それは、この数値は、器械で測っているのです。ニコチン測定装置は、1分間で35mlの空気を吸引して、ニコチン量を測定しています。人が吸うよりかなり少ない量です。当然、人がタバコを吸う時は、ニコチンの血中濃度が上がらないと吸った気がしないので、ニコチンが吸いにくいタバコほど勢いよく吸ったり、多くの吸ったりする行動に出るわけです。すると濃いタバコは近くの大きな気管支に扁平上皮がんを作っていたのですが、軽いタバコは、有害物質は、肺の末梢までたどりついて、より厄介な腺癌をたくさん作るようになって、がんの質が悪くなっただけで、頻度も増えた報告もあります。
フィルターに穴をたくさん空けることによって、ニコチン測定装置で吸引されるニコチン量が少なくなるように細工してあります。前述したように、人が吸うときは、満足するまでニコチン量を体の中に入れるので、パッケージに書いてある1mgという数字が、全く意味をなさないということはわかっていただけると思います。
日本のタバコは綺麗すぎ?
たばこパッケージに義務付けられている警告文や画像の表示ひとつとっても、 諸外国では年々規制が強まり、たばこ会社が肩身の狭い思いをするようになっているが、日本では、政府が毒物を販売する企業(JT)の株の50%を保有して法律でその産業を奨励し、国民の命よりも企業の経済活動を優先し、必要な規制や対策を先送りにしたために、外国に比べて明らかに及び腰の表現である。タバコの箱にも「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。」「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。」 のような文字だけで申し訳程度の表現にすぎず、字も小さくて、気をつけてみないと見逃すような注意喚起である。TVにしても、日本のCMはJTって何の会社か?という感じで、イメージ戦略に徹している。既存のメディアも、JTのスポンサーの影響下にあり、多くを期待することができない。

タイのタバコ EUのタバコ ブラジルのタバコ シンガポールのタバコ
VS

日本のタバコ


次に、CMを比べてみましょう。
オーストラリアのCMです。
外国のCMは、生々しくタバコって体に悪いんだなあというのが、よくわかります。1日1箱(20本)1年間タバコを吸うとどれくらいのタールが体に中に入るのか、本当に具体的な情報をストレートに映像にしたCMですよね。
喫煙者の肺の変化
非喫煙者 1日60本x55年
日本(JT)のCMです。
それに対して、日本のCMはどうでしょうか。なんの会社がわかりませんよね。全く反対のイメージ戦略ですよね。毒薬をきれいなパーケージで包んで、お代官様〜って感じで、自分だけがよければいい? いつまで日本という国はこういったことで、外国にも毒薬を売りつけるようなことをやっていくんでしょうね。
喫煙の抑制効果
喫煙率を下げるための方法として、タバコの値段を上げるというのが最も効果のある施策であることは世界中で実証済みです。
2つ目は、喫煙できる場所を制限していく方法です。日本でも、学校や駅、公共機関、スポーツ施設を始め、タクシーなどにも広がってきています。
学校が一番、最初に書いてあります。欧米など先進国では、学校や病院でタバコを吸うということはありえないことなんです。病気を治す、教育の現場、考えて見れば、あたりまえですよね。日本は30年は遅れているのです。病院では医者がタバコを吸い、職員室はタバコの煙でモウモウとしていましたね。日本がこういう状況になって行ったのは、個人の責任と言うよりは、国の無作為の罪によることが多いのでは。
3つ目はCMなどの禁止やタバコの害についての教育です。
たつの市揖保郡医師会では、たつの市、太子町の中学校1年生に対して、タバコについての講演会を行っています。
「禁煙は愛」キャンペーン
彼を知っているだろうか。彼はマーク・ギブンズさん、1963年生まれのオーストラリア人。母国では、看護師として働いていたが、1997年に愛媛県今治市で外国語指導助手(ALT)として来日。現在は英会話教室を開いている。なぜ彼がこんな格好をしているのか。彼はお遍路姿で禁煙を訴えて日本縦断をしているのです。
なぜ、こんなことをしているのでしょう。 彼曰く、それは、日本の喫煙率があまりにも高いことを知ったからでした。オーストラリアは喫煙率の低い国ですが、昔からではありません。人々が喫煙、受動喫煙の危険を知り、今の数字になっていったのです。政府はとても明確な喫煙の害のCMを流し、たばこの表示も写真付きでわかりやすくしています。今、世界の多くの国が禁煙が進んでいますが、日本では喫煙、受動喫煙の危険性の認識されていない、ただ、体に悪いとは知っていても、どう悪いのかを知らないのが原因と考えました。彼自身が看護師で 吸い続ける事がどんな事になるか、知っている私達が教えてあげなくてはいけない。治す事だけが、医療ではなく予防をする事も医療だと思います。こうして、歩くことも私の日本においてできる看護師としての仕事の一つと考えています。知ってもらいたいと歩く事にしたのです。こうして、歩く事ははたして意味があるのかと思われるかもしれません。でも、何もしないよりした方がいいと思っています。このメッセージが一人でも多くの人に伝わるきっかけになればいいなと願い、遍路姿で歩くことにしました。
(姫路赤十字病院を表敬訪問 2006年5月6日)

たつの市梅と潮の香マラソン大会
マーク・ギブンズさんにあやかって「禁煙は愛」Tシャツを着て走っております。 前回は(平成22年1月31日)9名の同志?といっしょに走ってきました。 禁煙の啓蒙活動に賛同して頂ける方、運動不足解消になにかやりたいと思っている方、是非いっしょに走りませんか。禁煙Tシャツをプレゼントします。
 マンネリ化した日常生活では味わえなくなった、ちょっと懐かしい緊張感。 Off the beaten track きっかけになれば・・・。