新しい抗凝固薬が、鳴りもの入りで発売されました。永年、抗凝固薬と言えば、ワーファリンしかありませんでした。ワーファリンは、凝固カスケードのいろいろなところでブロックして、血を固まりにくくしていたので、効き方に個人差があったり、薬剤間での影響や食事や体調の影響を無視できませんでしたが、今度のお薬は、最後のところでブロックするので、効率よく凝固を抑制できるわけです。新しい抗凝固薬(NOAC:novel oral anticoagulant)には、トロンビン阻害薬とXa(テンエー)阻害薬の2種類あります。

以前からトロンビンを阻害する薬として、ヘパリンがありましたが、注射薬でした。ヘパリンはで、トロンビンの作用に拮抗するアンチトロンビンという物質をパワーアップすることで、間接的にトロンビンの作用を阻害しますが、トップバッターとし登場したプラザキサ(ダビガトラン)は直接阻害します。大阪での発売記念の講演会では、めんどくさくて循環器の医者しか使えない(一般論です)ワーファリンに対し、NOACについては、山下先生が「イノベーション」をいう言葉を使って、誰でも使える夢のようなお薬が登場してきて、心房細動の治療に新しい時代が来たと声高らかに宣言しました。(座長の堀先生からは、もう少し慎重にというフォローはありましたが)

画像の説明

プラザキサ

【禁忌】
◎透析患者を含む高度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)
◎イトラコナゾール(経口剤)を投与中の患者
◎臨床的に問題となる出血リスクのある器質的病変(6ヶ月以内の出血性脳卒中を含む)の患者

【組成・性状】ダビガトランエテキシラート
【効能・効果】非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制(非弁膜症性:リウマチ性の僧帽弁疾患(MS、MR)人工弁(僧帽弁形成術も含む)を除く)

【用法・用量】

画像の説明

画像の説明 画像の説明
75mgカプセル 110mgカプセル

減量を考慮し、慎重に投与する患者として、
◎中等度の腎障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/min)のある患者
70歳以上の患者
◎消化管出血の既往を有する患者
◎P-糖蛋白阻害剤(経口剤)を併用している患者

プラザキサは、P−糖蛋白の基質であることから、P−糖蛋白阻害薬の併用で血中濃度が上昇することがあります。イトラコナゾールは禁忌となっています。ワソラン等を併用する時も併用開始から3日間は、2時間以上前にプラザキサを服用するように指導します。

画像の説明

プラザキサの副作用として、重篤な出血事象の発現時期は、投与開始早期に発現しています。3ヶ月以内は、血液検査による貧血のチェック、便潜血などで注意深く経過をみましょう。

画像の説明

画像の説明

aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は、過度の抗凝固作用を判断する目安となる可能性があります。aPTTは、測定のタイミング、個人差もあり、投与開始前にaPTTを測定しておいて、投与開始後の値と比較し、2倍以上の延長するようなら、投与中止を考慮しなくてはなりません。

 

画像の説明

トラフ値

画像の説明

TDM(Therapeutic Drug Monitoring:薬物治療モニタリング)バンコマイシンやアミノ配糖体(ゲンタマイシンなど)を使用するときには血中濃度を測定します。これらの薬剤は血中濃度の高い状態(中毒域)が続くと腎障害や聴覚障害などの重篤な副作用をまねく可能性があります。逆に使用量が少なすぎると効果が得られず、血中濃度が低い状態(無効域)が続くとバンコマイシン耐性腸球菌などの耐性菌を出現させる可能性があります。そこで、副作用や耐性菌の出現を避けるために血中濃度を測定し、投与量や投与間隔を調整します。

トラフ値:定常状態における薬物の次回投与直前に測定された最低血中濃度
ピーク値:薬物の単回/連続投与後の最高血中濃度

画像の説明

プラザキサの血中濃度は、直接は測定出来ませんが、aPTTと相関します。ピーク値が高ければ、出血性の副作用が起こりやすくなり、トラフ値が低ければ、薬が効いていません。朝の薬を飲まないで来てもらってaPTTを測定し、トラフ値で80秒を超えていたら、もっと危険というわけです。

 

ワーファリンからプラザキサに切り替える際には、PT−INR2.0未満を確認して、当日にプラザキサを開始して下さい。(PT−INR2.0〜3.0ぐらいなら、3日も止めればOKです。)

画像の説明

反対に、プラザキサからワーファリンに切り替える際には、ワーファリンを開始し、PT−INRが、有効域に入り次第、速やかにプラザキサを中止する。

【使用上の注意】
【薀蓄等】

RE-LY試験は、脳卒中のリスク因子を1つ以上有する非弁膜症性心房細動患者18,113例を対象として行われた国際多施設共同研究(日本326例含む)で、被験者をダビガトラン110mg×2回/日、同150mg×2回/日、ワルファリンによる治療に無作為割付し、約2年間経過を観察しました、オープンラベル試験です。CHADS2スコアの平均は2.1点、二次予防の患者さんが20%含まれています。ワルファリンによるPT-INRのコントロールの指標であるTTR(Time in Therapeutic Range)は64%と良好でした。主要評価項目は、脳卒中(出血性を含む)または全身性塞栓症の発症率です。安全性に関する評価項目として出血イベントを観察しています。

脳出血が怖くて、110mgx2が多い。75% 150mgx2と差はない。
70歳以上、腎機能Ccrが50以下は考慮
150mgx2は、二次予防で脳梗塞が唯一、少なかった。

抗血小板薬との併用で出血多い、1年以上で中止?

ワーファリンはアジア人で頭蓋内出血が4倍多い

主要評価項目である脳卒中または全身性塞栓症の年間発症率は、ダビガトラン150mg×2回/日投与によりワルファリンに比べ35%有意に低下しました。(NOACの中で、唯一ワーファリンに勝った試験です)ダビガトラン110mg×2回/日投与のイベント発症率はワルファリン群と同等(非劣勢)でした。

画像の説明

RE-LY試験、ROCKET AF試験、ARISTOTLE試験の結果、ワルファリンに対する虚血性脳卒中の発症を抑制するNOACはダビガトラン150mg×2回/日のみであるということです。腎機能がよい比較的若いグループでは、ダビガトラン150mg×2回/日の有意性が示されています。

 

出血については、大出血、生命を脅かす出血、頭蓋内出血などの頻度を比較しましたが、頭蓋内出血では、リスク低下率はダビガトラン150mg×2回/日投与で59%、同110mg×2回/日投与で70%でした。ワーファリンは、脳梗塞の発症を減少できますが、脳出血も増やす諸刃の剣なので、CHADS2スコア2点以上で、適応となっていますが、ダビガトランは頭蓋内出血のリスクをCHADS2スコアの高低にかかわらず、ワルファリンと比べて著明に低下させ、CHADS2スコア0〜1点の患者さんに限らず、2点以上でもダビガトラン投与を優先していいかもしれません。

画像の説明

以上の結果から、いつでも、どこでも、誰でもという感じで宣伝されたため、安易に使われる結果となり、5年で5人の死亡例(腎機能が悪く、禁忌の3症例は、しかたがないにしても、消化管出血の2例は気になります)が発生し、ブルーレターが出る始末になってしまいました。

画像の説明


RE-LY試験の消化管出血のリスクは75歳以上ではダビガトラン両群で高いことが示されています。アスピリン併用例が約40%含まれていたことも影響しているかもしれません。ダビガドランは「ワルファリンでは必要な血液検査によるモニターが不要」という利点が先行して宣伝されていますが、体重が80kg以上ある欧米人を対象にした臨床試験の量じたいが、そもそも日本人には多すぎるのかもしれません。一部でダビガトランの出血リスクを評価する凝固パラメータとしてaPTTの測定が行われているようですが(大出血の症例は80秒を超えていた)あまり科学的な根拠はないようです。

画像の説明

その他の有害事象として、ディスペプシア(上腹部痛、腹部痛、腹部不快感、消化不良)が高頻度に認められています。ほとんどは服用開始1~数日で発症しているのが特徴です。これは薬の吸収を良くするために用いられている添加物の酒石酸が胃内のpHを低下させることなどが原因と言われていますが、たいした量でもないようです。それよりは、75mgは2号カプセル、110mgカプセルが1号カプセルととても大きいこと、1日2回飲まないといけないことなどが、消化器症状が出現する要因ではないでしょうか。

ダビガトランの特徴としては、経口投与が可能で、最高血漿中濃度到達時間は約2時間で、早期の効果発現が期待でき、半減期は約12時間なので、腎機能に応じて手術の前日に投与を中止すれば可能で、 安全域が広く、固定用量で安定した抗凝固作用が期待できる。薬物や食物との相互作用が少ない。(薬物代謝酵素CYP450の影響を受けない)ダビガトランは腎排泄の薬剤ですので、腎障害における薬物動態は非常に重要です。(半減期は、高度腎障害患者では健常者より約2倍の延長が認めらる)

イグザレクト

画像の説明 画像の説明
10mg錠      15mg錠


【禁忌】

◎腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)
◎HIVプロテアーゼ阻害薬及び、アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール等)を内服している患者
◎中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はC相当)
画像の説明

【用法・用量】

画像の説明

イグザレルトの特徴は、生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)がほぼ100%であることです。つまり投与された薬物量がほとんど全身循環に移行するため(消化管からの吸収率や肝臓の通過率などで規定されます)ほとんどが薬効を示すため、服用量を少量にでき、剤形を小さくできます。大きな錠剤を飲めない患者にもやさしい薬といえます。この特徴は、患者の個体差による血中濃度の変動が少ないことがわかっています。また、イグザレルトは肝代謝(主にCYP3A4、CYP2J2、加水分解酵素)が2/3、腎排泄(未変化体排泄率)が1/3であるため、中等度の腎障害から減量が必要となります。

 

画像の説明

画像の説明

PTが出血リスクの指標

現実の臨床で、イグザレクトの抗凝固能評価の指標は、PT測定が有用とされているが、試薬によってイグザレクトに対する感受性にばらつきがある点に注意を必要です。トロンボレルS、トロンボチェックPT、トロンボチェックPTプラスの3種類の試薬では、PTトラフ値は患者間のばらつきが小さく(服用2~3時間後のPT値はばらつきは大きい)PT測定は服薬直前に行い,PTトラフ値を評価するのが望ましいとした。腎機能低下などにより、トラフ値が上昇することなど、患者の出血リスクを評価しうる。

エリキュース

【禁忌】
◎腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)
◎重度の肝障害
画像の説明

【組成・性状】アピキサバン
【効能・効果】非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
【用法・用量】

画像の説明 画像の説明
2.5mg錠       5mg錠

通常、成人にはアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する。
なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg 1日2回投与へ減量する。

画像の説明

画像の説明

画像の説明

エリキュースは、主にCYP3A4/5によって代謝されます。また本剤は、P-糖蛋白及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質となります。

画像の説明

アピキサバンの用量は1回5mg、1日2回ですが、年齢80歳以上、体重60kg以下、血清クレアチニン値1.5mg/dL以上の3項目のうち、2項目以上を満たす患者には、1回2.5mg、1日2回に減量して投与されました。一般に、高齢者や腎機能低下例は塞栓症および出血のリスクが高いことが知られていまが、アリストテレス試験においては、80歳以上の高齢者であっても脳卒中および全身性塞栓症の発症、ならびに大出血の発現を有意に抑制することが示され、また、アピキサバン群における脳卒中および全身性塞栓症の発症率,ならびに大出血の発現率は、腎機能が低下してもワルファリン群より低値であり,大出血に関しては有意な交互作用が認められました。これは,アピキサバンの腎排泄率が27%と低値であり、腎機能が低下しやすい高齢者においても,薬物血中濃度が高くなり過ぎないことが関連していると考えています。

画像の説明

 

リクシアナ

【禁忌】
◎腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)
◎凝固異常を伴う肝障害

【組成・性状】エドキサバン
【効能・効果】非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制 静脈血栓塞栓症の治療

画像の説明 画像の説明
30mg錠       60mg錠

【用法・用量】

画像の説明

 

新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulant:NOAC)として、トロンビン阻害剤のダビガトラン(プラザキサ)や第Ⅹa因子阻害剤であるリバーロキサバン(イグザレルト)アピキサバン(エリキュース)エドキサバン(リクシアナ)が相次いで登場しました。どれをどう使うか、僕なりの解釈で、使い分けています。

薬品名 プラザキサ イグザレルト エリキュース リクシアナ
一般名 ダビガトラン リバロキサバン アピキサバン エドキサバン
作用機序 抗トロンビン 抗Xa 抗Xa 抗Xa
臨床試験 RE-LY
(2009)
ROCKET
(2011)
J-ROKET
(2012)
ARISTOTLE
(2011)
ENGAGE
(2013)
対象患者 18113例 14264例 1280例 18201例 21105例
平均年齢 71歳 73歳 71歳 70歳 72歳
排泄経路 PROBE法(open) 二重盲検 二重盲検 二重盲検 二重盲検
CHADSsスコア 1点以上 2点以上 1点以上 2点以上
用量・用法 150mg1日2回
110mg1日2回
20mg1日1回 15mg1日1回 5mg1日2回 30mg1日1回
(60kg以下)
減量基準なし 15mg1日1回
腎機能障害(中等度)
10mg1日&1回
腎機能障害(中等度)
2.5mg1日2回
80歳以上
60kg以下
Cr>1.5mg/dl
のうち2つ以上を満たす
60mg1日1回(60kg超)
30mg1日1回
(P蛋白阻害薬併用)
30mg1日1回
腎機能障害(中等度)
薬剤費 545.6円
(150mgx2)
478.6円
(110mgx2)
日本での発売なし 545.6円
(15mg)
383.4円
(10mg)
545.6円
(5mgx2)
298.0円
(2.5mgx2)
758.1円
(60mg)
545.6円
(30mg)
平均TTR 64.4% 55.2% 65% 62.2% 64.8%
腎排泄 85% 65% 27% 35%
半減期 12hr 8〜11hr 8〜15hr 5〜11hr

プラザキサは、最初に登場したNOACで、プロトコールに減量基準のない150mgx2と110mgx2のガチンコ勝負です。欧米の80kg越えの人達のデータをそのままなので、約30%は低体重のために適応外です。しかし、150mgx2群は、唯一の脳梗塞を減らすワーファリンに対し)ことが証明されており、体重も60kg以上あり、腎機能も良好(Ccr>60)な患者さんには、プラザキサ150mgx2は、良い適応ではないかと思っています。

ダビガトランの7つの試験のメタ解析が施行され、ダビガトラン群にて心筋梗塞(MI)急性冠症候群(ACS)の発症率は高いと結論されています。RE-LY試験の結果においてもダビガトラン群にてMIが数の上では多いことが示されていたので、やはりワルファリンよりは心筋梗塞,ACSが増えるのかもしれません。(唯一の抗トロンビン製剤なので、プラークの安定化を阻害するのかも?)冠動脈疾患の既往のある患者さんは、抗Xa薬の方を選択するようにしています。

エリキュースの特徴は、腎代謝が27%と低く、末期の腎不全でも血中濃度の変動が小さくなります。欧米では透析患者さんにも投与OK(日本ではCcr<15で禁忌)ということで腎機能の低下した高齢者に投与しやすいということです。また、Ki値(阻害定数)が小さく、Xaに素早くひっつくので少量で効果を発揮するので(その反面として少量なので効果が長続きせず、1日2回内服が必要)血中濃度はピークは低く、トラフ値の低下しない。(副作用は少なく、抗凝固効果も維持される)また、また、分布容積が小さいので、代謝がシンプルで体に蓄積されにくいので副作用も出にくくなります。Ccr<50の(高齢者、低体重など)リスクの高い群で、大出血が少なく、チェックリストに則って、5mg朝夕(70%ぐらいは、5mg朝夕の対象になる)2.5mg朝夕を選んでいます。エリキュースが万能かと言えば、そうでもなく、なぜか若い人での出血が多く、若年者(腎機能も正常)には、プラザキサ110mgx2を選択しています。

画像の説明

イグザレルトの特徴は、1回投与です。臨床試験としては、対象群のワーファリンのコントロールが悪く(TTR55%)75歳以上、低体重(50kg以下)腎機能の悪い人でも大出血(消化管出血も)がやや多いようです。(1回投与にこだわりすぎて、ピーク値が上がってしまった?)J−ROCKETもありますが、安全性試験はクリアしていますが、有意差は出ていません。

画像の説明

臨床試験も後になるほど、上手な減量基準を設けて、成績を上げているようです。リクシアナは、まだよく勉強していませんが、イグザレルト、リクシアナは、CHADSsスコア2点以上の試験です。CHADSsスコア1点の患者さんは、まずは、プラザキサ、エリキュースから考慮しています。

85歳以上のデータはありません。何歳まで、どういった状況で、介入を続けるかはテーラーメイドで考えるしかありません。

 

ワーファリン VS DOAC

リアルワールドのデータである伏見AFレジストリでは、ワーファリンとDOACに差は認めておりませんが、適正な用量で投与されないのがまさにリアルならではでした。確かに、ワルファリンは(1)治療域が狭い (2)薬物動態や薬力学が変化しやすく,予測不可能 (3)他の薬剤 やビタミン K 含有食物との相互作用 (4)作用の発現と消失が遅い (5)定期的な血液凝固モニタリングと用量調節が必要 (6)頭蓋内出血の発現率が高いなど、新規の患者さんにワーファリンを始めることはないかもしれません。

一方、ワーファリンもまだまだ捨てたものではありません。最大のメリットは、薬剤費です。ワーファリンの薬価は、1ヶ月で1割負担で87円。対するNOACは、894円〜2270円(薬剤の種類によりますが、10〜20倍ですよ)です。コストパーフォーマンスと同時に、開業医にとって、経済的な感覚は大事です。(門前薬局でのやりとりに思いを馳せましょう)また、現在、ワーファリンのコントロールのいいのにあえてDOACに変える必要はありません。いつ測っても2.2ぐらいからへばり付いて動かないような人もいますよね。いずれもTTR60%そこそこの症例群との比較です。PT-INRのコントロール状態を表すTTR(Time in Therapeutic Range: PT-INRが目標治療域にある期間の割合)が低い症例では、ワルファリンによる脳梗塞発症予防効果は期待できません。

画像の説明

弁膜症性のAFはDOACは禁忌です。また、腎不全や透析患者には NOAC が禁忌となるので,使用するとすればワルファリンになります。(処方しないことのほうが多いですが)

心房細動
なし 0.5/年
エリキュース 0.3/年しか増やさない
ワーファリン 0.8/年

ワーファリンは、凝固因子の量を枯渇させて抗凝固を達成
Xa阻害薬は 器質であるXaを切るはさみです。Xaが少なければ少量でも効果がでますが、凝固能が亢進してXaがたくさんあれば効きにくくなります。

大出血が少ない=小出血が少ないではない。凝固活性が低い正常時には完璧に効いていて小出血もあるが、皮膚出血と大出血は
小出血が先行している場合はない 、大出血は突然起こる

ロケット