小児科から青年で胸の痛みの原因として前胸部激痛症候群(Precordial Catch syndrome:PCS)という病気があります。小児の胸痛の8~9割を占めるといわれているほど頻度が高い病態です。特に6~12歳(〜35歳)に多くみられ、突然の胸痛を来たす良性疾患です。姿勢の悪さや肋間筋由来の痛みと言われていますが、原因は不明です。Precordial Catch Syndromeの痛みの特徴は、突然生じる胸の痛みで、安静時>軽度の運動時に起こることが多い(激しい運動時や睡眠中には起こらない)鋭く、刺される様な焼けるような痛み、強さの程度は様々で圧痛はあり ません。深呼吸で痛みが強くなり、姿勢を伸ばすと軽快、突然治ります。胸の左側の第5肋骨あたり乳頭周囲>側胸部、右前胸部に多く、指1~2本でさせる限局した範囲で、胸痛の持続時間は30秒~3分ですが、数回の呼吸で治ったり、30分以上続くこともあります。背中を曲げた姿勢で起きやすく、痛みは限局しており放散痛は伴わない、胸の痛み以外の随伴症状もありません。診断は、心電図、レントゲン、心臓超音波検査などで異常がないことを確認し症状、患者背景などと併せて診断されます。特に治療の必要はなく年齢とともに症状は改善していくようです。

 

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肋間神経痛

肋骨に沿っている神経を肋間神経と呼び、肋骨の数と同じく左右各12本あり、この肋間神経が痛む症状を肋間神経痛といいます。肋間神経痛は疾患名ではなく、明らかに原因がある場合を症候性肋間神経痛、明らかな原因がない場合を特発性肋間神経痛といいます。症候性肋間神経痛の原因はさまざまで、脱臼や骨折、腫瘍によって神経が損傷し痛みを感じたり、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症などの病気により神経が圧迫されて引き起こされたり、また帯状疱疹が原因であることもある。原因によって、痛みの出る頻度、症状は異なり、ビリっと電気が走ったような鋭い痛みだったり、じくじくとした痛み、ヒリヒリとするような痛みだったりする。肋骨の骨折や肋骨に腫瘍がある場合や、胸椎椎間板ヘルニアなどが原因の場合は上半身を前後や左右に曲げたり、ひねったりする際に特に痛みが強くなることがあり、息ができないほどの痛みが現れることもある。肋間神経痛は、肋骨に沿って比較的鋭い痛みや感覚障害をきたすため、それぞれの神経の分担区域は、その走行経路に沿って体を取り巻く帯のようになって痛みの範囲が広くなります。上半身の左右どちらか一方だけに起こることが多いです。。痛みは、深呼吸、咳嗽、体動、寒冷で増悪します。アロディニアが見られることもあります。