(5)膀胱炎
排尿時痛(特に排尿の終わりごろ)、頻尿、残尿感などの主な症状です。女性に多く認められ(尿道が短いため)主に腸の中にいる大腸菌が、尿道から入り膀胱で増殖することにより起こります。 膀胱炎を放置すると、感染が腎臓に及び、腎盂腎炎になることがあります(膀胱炎では発熱は生じませんが、腎盂腎炎になると高熱(38度以上)が生じ、腰痛・全身のだるさなどがみられるようになります)治療は、抗生物質内服により細菌を殺すことです。再発を繰り返す場合や男性の膀胱炎などは、他の病気(膀胱のはたらきに問題がある・結石、間質膀胱炎)など、原因を詳しく調べるため、泌尿器科受診を勧めます。
(6)尿路結石
尿管結石の診断は、激しい腰痛(腹痛)と血尿、嘔吐を伴ったりして比較的容易です。治療しても尿トラブル(頻尿、失禁、排尿困難など)がなかなか改善しない症例では、膀胱内の結石や腫瘍の合併も疑う必要もあります。前立腺肥大症や神経因性膀胱などの通過障害で尿が膀胱内に停滞したり、慢性の細菌感染などが原因で、膀胱結石が出来る場合もあります。 犯人は、この数ミリの小さな石(シュウ酸カルシウム)です。だいの大人を、冷や汗たらたらで、七転八倒させるのです。

(7)前立腺炎
男性特有の疾患(前立腺は男性にしかありません。)で、排尿時の痛み、頻尿、血尿、排尿困難などの症状が生じます。女性の膀胱炎と異なり、発熱(38度以上)もしばしば認められます。しばしば、不明熱として問題になります。原因は、腸の中の細菌やクラミジア(性病の原因菌)などの感染です。治療は、抗生物質の内服・点滴ですが、前立腺は、血管が少ないので、薬が効きにくく、1週間以上の治療を要する場合も少なくありません。