自宅の浴槽で入浴困難となった利用者さんでも入浴できるように、手助けをするサービスには、訪問介護と訪問入浴介護があります。
入浴サービスを利用するためには
(1)主治医から入浴許可が出ていること
(2)要介護1〜5いずれかに認定されていることを確認しておきましょう。
要支援認定では利用できませんので注意しましょう。要支援の人は、基本的に訪問入浴介護が利用不可能ですが、自宅に入浴環境がなく、全身の清潔保持が難しい場合や感染症やその他皮膚疾患などで全身の清潔保持が必要な場合は例外として利用可能となりますが、要介護認定と異なり、可能な限りセルフケアを促す「介護予防訪問入浴」の適応となります。
訪問介護による入浴サービス
- 利用者さんが自力である程度動ける
- 2人入っても動けるくらいの広い浴室スペースがある
- 入浴はできるものの、1人で入りたがらない
訪問介護による入浴介助は、自宅の浴室で訪問介護ヘルパーが1人で見守りや介助を行うサービスです。利用者さんがある程度動ける状態であれば、自宅の浴槽を利用する訪問介護の入浴サービスがおすすめです。また、浴室に「訪問介護ヘルパーが入っても動けるくらいのスペースがあるか」という点もあらかじめ確認しておきましょう。訪問介護の入浴を依頼する場合、入浴介助という身体介護が受けられます。入浴介助は、「自宅の浴槽を利用して利用者さんの体を清潔に保つお手伝い」が主な内容です。具体的には、以下のような清拭・入浴、全身清拭、部分浴、洗髪、全身浴、身体整容、更衣介助などの介助を受けられます
訪問入浴介護による入浴サービス
- 要介護度が高く、訪問介護ヘルパーや家族だけでは入浴介助が困難
- 浴室の構造上、入浴が難しい
- 病気の治療にあたり、全身の清潔保持が必要
訪問入浴介護は、病気やその他の理由で「お風呂に入りたいけど、自宅の浴室では難しい」という利用者さんやご家族の要望に応え、看護スタッフ1名と介護士2名で入浴介助するサービスです。訪問入浴車で自宅まで訪問し、介護用の簡易浴槽を部屋の中に設定してお湯を供給して入浴が困難な利用者さんの入浴介助を行う。また、事業所によっては保湿剤を塗ったり、爪切りをしたりするサービスもあります。
一方、訪問介護入浴とは、自宅での入浴が難しくなった利用者さんに対して、利用者さんによっては、訪問入浴介護サービスに羞恥心を感じることもあるでしょう。訪問入浴介護サービスにおいては、同性指名も可能です。
訪問入浴は、およそ1時間かかります。たったの1時間ですが、家族にとっては貴重な自由時間となるはずです。利用者さんにとっても、家族以外とコミュニケーションが取れるメリットがあります。訪問入浴介護は、訪問介護の入浴介助と比べて費用が高くなります。訪問入浴介護では、提供内容によって、自己負担が1,000円を超える場合があります。訪問介護による入浴介助は、身体介護に含まれるため、20〜30分なら248円です。ただし、訪問介護ヘルパーによる入浴介助は自宅の浴槽で、見守りや軽介助が前提です。訪問入浴介護のように、看護師による健康チェックやすべての介助サービスは含まれていません。
家の状態によっては、訪問入浴介護が実施できない可能性もあります。浴槽にお湯を供給する訪問入浴車が駐車するスペースや、間借りする部屋の大きさによっては、入浴設備の設置が難しいからです。一般的には、2〜3畳のスペースがあれば実施できると言われています。
病気や身体機能の低下が原因で、入浴願望があっても利用できない人もいます。「自宅での入浴は難しい」と諦めていても、訪問入浴サービスを活用すれば、利用者さんの思いを尊重した生活ができるでしょう。しかし、訪問入浴介護を利用すれば、看護・介護の専門スタッフにより安全を確認しながら、入浴ができる可能性があります。
ケアプランの範囲内であれば、訪問介護と訪問入浴介護の併用利用も可能です。