血沈(ESR)
ESRは、赤血球が、1時間でどれくらい落ちるかを調べる検査です。赤血球は膜の周囲が陰性荷電になっていて、赤血球同士も弾き合うのでゆっくり落ちます。貧血になると赤血球同士がスカスカになるので早く落ちます。炎症があると肝臓でフィブリノーゲンや免疫系で作られるγグロブリンが陽性荷電しているので、赤血球の陰性荷電とくっついて架橋して大きな塊になり、表面積が減ることで早く落ちるようになります。炎症がなくても抗体が多ければ、早くおちるわけでなので、いつもCRPと一致するわけではありません。ESR>>CRPが、膠原病をみつけるきっかけになることもあります。
血沈の正常値 男性 年齢/2
女性 (年齢+10)/2
血沈は、貧血によってかなり影響を受けることを念頭において、判断しなくてはなりません。
ESRが100以上に亢進しているのに、CRPは正常か0.8というように解離が見られる場合は、全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群、多発性骨髄腫を疑います。