尿沈渣を顕微鏡で見ると結晶を認めて形によって、シ ュウ酸の結晶とかシスチンの結晶とかわかります。結晶は無機質ですが、それにマトリ ックス成分などの有機物質がくっついて結石になります。結晶だけで結石をつくろうとしても結石はできません。結石ができるというメカ ニズムは非常に複雑で、結晶が腎臓内にできてその周辺から組織を傷害したり、あるいはサイトカインやケモカインなどを出して、 そこからマトリックスみたいなものがだんだんできて、そのマトリックスと融合して結石になります。
2015年、わが国の疫学調査の結果、一番頻度が高いのが シュウ酸カルシウム結石で8割ぐらいです。その次に多いのが尿酸結石 で3.4%。その次にシス チン結石が1%、感染性の結石は0.7 %です。尿酸値が高い方は、尿酸結石はもちろん気 をつけなければいけないですが、シュ ウ酸結石にも十分気をつける必要があります。シュウ酸結石のできるメカニズ ムの一つとしては、尿酸の濃度が上がるとシュウ酸の飽和度も上がり、 溶解度が少し下がってしまって結晶化しやすいと言われています。シュウ酸と尿酸はメタボリックの影響は大きいと思いま す。結石の患者さんは夏を過ぎたぐ らい、9月とか10月ぐらいに増加します。
体外衝撃波の適応はだいたい1cmより小さい石といわれています。小さい石であれば体外衝撃波で割ってもいいと思うのですが3mmとか4mmとか小さいものは基本的には症状がなければ 経過観察で見ることが多いです。