神経

顔面神経麻痺

顔面神経麻痺とは、ある日突然、片方の頬がはれぼったい、水を飲もうとすると口からこぼれる、片方の目が閉じない、笑うと口が反対につれる。発病率は人口10万あたり年20~30人で、性差はなく、全ての年齢で発症するが40歳台にピークを持ち10歳以下は少ない。左右でどちらが麻痺しやすいかの差もありません。また、再発率は1%以下でそれほど高いものではありません。目が閉じれず、よだれがこぼれたりすることは困りますが、何より重要なことは,うまく表情を作ることができなくなるために、他人とのコミュニケーションに支障をきたし、本人しかわからない心の苦痛をも与えてしまう病気なのです。

最初は、顔面神経麻痺の総称としてベル麻痺(英国の解剖学者、外科医)と云う病名が用いられました。しかし、原因の明らかなものは除外され、現在においては、ベル麻痺とは、原因不明すなわち、特発性末梢性顔面神経麻痺(顔面神経麻痺全体の約60~70%)のことを指しています。

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さて、どちらが麻痺側でしょうか?
顔面神経は、表情を作る運動神経です。だから無表情な方が麻痺側です。額にしわが寄せられない、目が閉じられない、口角が上がらない、つまり右側が麻痺側です。ぱっと見では、額にしわを寄せる、まばたきをする、顔をしかめるなどの表情を作るたびに、筋肉が麻痺側に顔を側に引っぱるので、左側の顔面が歪んでいるようにみえますが、正常です。

顔面の筋の診察では,前頭筋は眉を上げてできる額のしわを観察します。うまく出来ない人は、正面の視標を注視させて、視標を上方に上げるようにします。麻痺側ではしわがよらないか浅くなります。眼輪筋の評価は目をぎゅっと閉じることができないのを観察します。重症の場合には閉眼できずに瞼裂があいて、虹彩部が上転して白目となるBell現象が見られます。口周囲では,歯をむき出して「イー」と声を出してもらうと口元が、左右非対称になったりします。また、口笛を吹いたり、頬をふくらませることができなくなります。

Bell麻痺は特発性の末梢性顔面神経麻痺です。末梢性とはなにか?橋(脳幹)にある顔面神経核よりも上位で障害されるものを中枢側(核上性)顔面神経核より下位で障害されるものを末梢性(核性および核下性)と言います。

末梢性と中枢性顔面神経麻痺との簡単な鑑別方法として
(1)前額部にしわをよせる。
(2)は眼をギューと閉じる。
(3)は口で「イ〜」と言う。

末梢性では半側顔面全域で麻痺が明らかですが、中枢性では下部顔面の麻痺に比べて上部の麻痺は軽度になります。額のしわよせが最もよくわかり、中枢性の麻痺では口には麻痺が明らかなのに額のしわは左右差なく、眼輪筋の麻痺も軽いので鑑別が可能です。また,中枢性の場合には無意識な時の表情では、はっきりしないが、意図的(感情的)に表情を作った時のみ麻痺がはっきりする事(中枢での神経経路の違いを反映)があります。

解剖学的に説明すると、前額部や眼輪筋の筋肉は、左右両側の神経支配を受けているので、核上性(中枢性)では、反対側から神経は遮断されないので額の皺寄せや眼を強く閉じる動作は出来るが、反対側の神経支配しか受けていないの口を強く閉じる口輪筋は麻痺します。核下性(核性を含む末梢性)では、1.2.3すべての神経が全て遮断されるので、片側全てが麻痺する場合が多いとされます。しかし、実際の臨床の現場で、中枢性、末梢性などと迷う事はほとんどありません。中枢性の場合は、脳卒中では、同時に片側の腕や脚にも筋力低下(片麻痺)が起こるのが典型的です。

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また、ベル麻痺(末梢性)でしか伴わない症状もあります。中枢性の麻痺では、中間神経(上唾液核から出る副交感性分泌線維と孤束核に伝える味覚繊維)の麻痺症状は伴いません。

顔面神経の解剖学的模式図を示します。顔面神経は橋から出る運動性の固有顔面神経以外に、上唾液核から出て涙腺(涙)や顎下腺(唾液)の分泌を促進する副交感性分泌線維と舌の前の部分の味覚を孤束核に伝える味覚繊維とが含まれている。顔面神経は内耳神経とともに内耳道に入り、途中で内耳神経と分かれて顔面神経管に入ります。顔面神経膝で曲がった後、顔面神経管下部でアブミ骨筋神経が分かれます。副交感性分泌線維は、涙腺、唾液腺に向かい、知覚神経は、延髄孤束核から舌神経に入り味覚神経を送っています。顔面神経は、茎乳突孔から外頭蓋底に出てきて、耳下腺中で耳下腺神経叢を作ったのち顔面筋、頭蓋筋などに分布します。(本当はもっとややこしいですが、詳細は省きました)


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上記のように顔面神経は3つの神経線維(運動線維、感覚線維、副交感線維)を含んでいます。このため 、表情筋の麻痺、口渇(舌下腺・顎舌腺)味覚障害、聴覚異常(アブミ骨筋神経の障害)涙分泌異常(眼球乾燥)などの症状が発症しますが、これらの症状の組み合わせは損傷部位によって異なり、損傷部位の診断や治療法を識別する上で用いられます。

Bell麻痺では麻痺側の聴覚が過敏となり音が大きく聞こえるようになります。これはアブミ骨筋麻痺により鼓膜の緊張が増すためです。また、中間神経の麻痺は、麻痺側の涙腺,唾液腺の分泌低下と舌前2/3の味が感じられなくなることがあります。Bell麻痺の約半数に耳介あるいは顔面の痛みやしびれを伴います。

最初の症状は、顔の異常に気づく数時間から1~2日前に、耳の周りとか後頭部が痛むことがあります。顔面の筋力低下は突然に起こり、48時間以内に最も重度に達します。軽度の筋力低下から完全な麻痺まで程度はさまざまです。顔面の麻痺が部分的な場合は、治療の有無にかかわらず、ほとんどの人が数カ月以内に完全に回復します。麻痺が顔全体に起きている場合は、経過がさまざまです。予後不良となる要因は、高齢、高血圧、味覚障害、耳以外の痛み、顔面筋の完全麻痺などが挙げらています。神経伝導検査と筋電図検査などの検査は、回復の可能性を予測するのに役立ちます。

顔面神経麻痺の鑑別診断では、病歴とMRI検査またはCT検査などで、徐々に発症する多発性脳梗塞や脳腫瘍、頭蓋骨折など、中枢性のものを除外します。(脳卒中は急に起こる)通常これらの病気は、症状の現れ方も遅いため、ベル麻痺と区別できます。

末梢性顔面神経麻痺の原因がはっきりしないものをベル麻痺と呼んでいますが、冷たい風などにあたり、顔面神経に栄養を運んでいる血管が収縮し血のめぐりが悪くなったり(虚血説)単純ヘルペスウイルス1型が主病因となり神経炎を起こす(ウイルス説)などが考えれているものが80%、水痘帯状疱疹ウィルスが原因とされているハント症候群は 12%です。その他、原因疾患は、多発性硬化症、糖尿病、サルコイドーシス(黒人に多い)Sjögren 症候群、Guillain-Barré 症候群、ライム病(マダニによって媒介されるボレリア感染症)アミロイドーシス、EBウイルス、サイトメガロウイルスなどがある(Guillain-Barré 症候群,ライム病,アミロイドーシスは両側性の麻痺であることが多い)

ラムゼイ・ハント症候群は、Bell 麻痺の次に頻度の多い末梢性顔面神経麻痺の原因疾患です。帯状疱疹ウイルスにより生じる疾患で、耳介、外耳道に水疱(帯状疱疹)ができ、その部分が非常に痛み、めまい、難聴、耳鳴などを伴うことがあります。症状の組み合わせにより、耳介と外耳道の帯状疱疹+顔面神経麻痺、耳介と外耳道の帯状疱疹+顔面神経麻痺+聴神経症状(聴力低下,めまいなど)など顔面神経麻痺を伴う場合をラムゼイ・ハント症候群と呼んでいます。ラムゼイ・ハント症候群は、Bell麻痺と比べてより重症であり治癒までに半年以上かかることもあります。また、後遺症を残し易く、抗ウイルス薬による早期の治療開始が重要である。一方、患者の14%が皮疹に先行して顔面筋の麻痺を発症するので、この間は臨床的にはBell 麻痺と鑑別ができない。また,ウイルス学的診断方法により皮疹のない末梢性顔面神経麻痺の18〜29%でVZV が検出され、このことはBell 麻痺の中には皮疹のないRamsay Hunt 症候群が少なからず存在することを示しています。

 

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顔面神経痛?三叉神経麻痺?

ちまたでは、「顔面神経痛」と云う言葉をよく耳にしますが、これは間違いです。脳神経は12個あり、その第7脳神経が「顔面神経」で、顔面の運動神経で、いろいろな表情を作るのが仕事です。当然、目を閉じるのもそのひとつです。(ちなみに、目と開けるのは、眼瞼挙筋:動眼神経とミューラー筋(交感神経)です>)第5脳神経が「三叉神経」です。顔面の知覚を司っています。だから、顔面神経は筋肉を動かす運動神経で、痛覚などの感覚を伝える感覚神経ではありませんから「顔面神経痛」は誤りです。顔面の痛覚を伝えるのは三叉神経なので、三叉神経痛と顔面神経麻痺が誤って混同されてできた言葉でしょうか。また、顔面痙攣(眼瞼けいれん)という疾患もあります。目の周りや頬、口の周囲がピクピクと動く病気です。これは、顔面の運動神経のスイッチが壊れた状態です。主には、頭蓋内の血管による顔面神経の圧迫によるとされていますが、画像診断でも原因のはっきりしないものもあります。

 

治療

顔面神経麻痺の標準的治療として、副腎皮質ホルモン療法、抗ウイルス薬治療、methylcobalamin投与が我が国でも一般的に行われています。できれば、1週間から10日ほどの入院安静にします。入院治療中に大多数は、徐々に麻痺が回復していきます。


バルトレックス 500mg 2錠 分2
メチコバール 500μg 3錠 分3
プレドニン 5mg 6錠 分3
ヒアレイン点眼薬 5ml 1瓶 1日3回

Bell麻痺に対する薬剤の有効性に関して、充分なサンプル数を有する多施設ランダム化二重盲検試験が少ないことやBell麻痺自体が比較的に予後良好な疾患であり、無治療でもその70%以上が後遺症を残さずに寛解するため治療薬の有効性を判定することが困難であることから明確なエビデンスはないのが現状です。抗ウイルス薬の使用についても、Bell麻痺患者の顔面神経減荷術時に採取された神経内液や後耳介筋から単純ヘルペスウイルス1型のDNAが検出されることが報告され、Bell麻痺の多くはHSV-1の再活性化に関連して発症すると考えられているのが、抗ウイルス薬使用を支持する根拠となっています。さらにBell麻痺の一部には少数だが皮疹を伴わずBell 麻痺のみを呈するラムゼイ・ハント症候群(水痘、帯状疱疹ウイルス)も含まれている可能性が指摘されていることも抗ウイルス薬使用が薦められている根拠となっている。

原因が分からなくても、単純ヘルペスウイルスに有効な抗ウイルス薬(バラシクロビルなど)を経口で服用します。もしウイルスがいる場合は、これらの薬剤によって増殖が抑えられます。症状が起きてから48時間以内の場合は、神経の腫れを抑えるため、ステロイド薬を経口で服用します。

Bell 麻痺の治療は、急性期治療としてステロイドおよび抗ウイルス薬の使用が推奨されています。日常臨床においても発症早期に経口副腎皮質ホルモンおよび抗ウイルス薬が使用されることが多いと考えられるが、副腎皮質ホルモンや抗ウイルス薬の有効性や至適投与量は充分に明らかにされておらず,これらの薬剤の使用に関する明確なエビデンスが存在しないのが現状である.

2004年のCochranReviewでも副腎皮質ホルモンのBell 麻痺に対する有効性は支持されておらず、十分なエビデンスが得られていないが、一方で複数のreviewにおいては発症早期の副腎皮質ホルモン投与が推奨され、有効性が報告されている。感染症、免疫抑制状態にある患者、糖尿病、消化管潰瘍、ウイルス性肝炎及びキャリアー患者、妊婦等では,副腎皮質ホルモン自体のBell麻痺に対する有効性のエビデンスが十分でないことから、予想される不利益を考慮し副腎皮質ホルモン投与は基本的には避けることが勧められる。Bell麻痺自体が自然治癒の期待できる比較的に予後良好な疾患であるため、軽症例でのステロイド剤の必要性については不明であるが、軽症Bell麻痺でも通常24~72時間で進行する傾向があるため、発症時が軽症であってもステロイド剤の使用に支障がなければ受診時から投与を開始することが推奨される。完全麻痺あるいは高度麻痺ではprednisoloneを60mg/日また1mg/kg/日で5~7日間投与し,その後1週間で漸減中止することが推奨される。高齢者や軽症から中等症では30mg/日または0.5mg/kg/日で開始してもよいと考えられる。

Bell麻痺に対する抗ウイルス薬投与についても、2004 年のCochran Reviewで有効性は示されていない。しかし、Bell麻痺の原因として1型単純ヘルペスウイルスがクローズアップされていることも併せて,最近の複数のreviewでは、中等症以上のBell麻痺の急性期治療として副腎皮質ホルモンとの併用で抗ウイルス薬を使用することが推奨されています。治療開始時期に関しては発症3日以内が推奨されているが、遅くとも10日以内に、valacyclovir(1,000mg/day)を副腎皮質ホルモンと併用で7~10日間投与することが推奨されるでも有効であることが報告されています。

methylcobalamin 1,500μg/日 分3の経口投与に関しては、糖尿病性ニューロパチーをはじめ他の神経障害にて有効性が報告されており(消化管からの吸収障害がなければ)重大な副作用や毒性がないため安全でもあり、寛解もしくは発症後8週間まで使用することが推奨されています。

Bell 麻痺は特別な治療をしなくても70〜80%は完全回復する疾患であり、ステロイドなど内科的治療効果も期待できるため,あまり仰々しい治療法はどうかとも思われるが、患者さんの心の苦痛に答える治療法として以下に記載しておきます。

星状神経節ブロック(頸椎の7番目の星状神経節という交感神経の節に、麻酔薬を注入する)は、頭頸部を支配する交感神経を遮断して、血管を拡張し、顔面神経への血流を改善することによって神経機能の回復を期待するもので、日本では麻酔科でしばしば実施されているが、客観的な有効性については信頼できるエビデンスはほとんどない。

高圧酸素療法もステロイド治療群より有意な治療効果があったと結論した報告(高圧酸素治療は95.2%,prednisolone 群は75.7%)はあるが、入院が必要なことや治療の煩雑さ、内耳のbarotraumaがかなりの頻度で起こることが知られており、積極的に勧めるには至らない。

鍼灸による治療も十分に効果はあると考えますが、Cochrane Review でも治験データが不十分であり,結論を導くには、より厳密な比較試験が必要であるとしている。

顔面神経減圧術(耳のすぐ後の骨の中を走る顔面神経を周囲の骨の圧迫から解き放つ手術)は、顔面神経麻痺の治療の最後の手段として、耳鼻科で行われてきましたが、これまでの報告はランダム化されておらず、大部分に副腎皮質ホルモンが併用されているため、エビデンスの高い報告はなく、難聴などの合併症が15%との報告もあります。

実は、Bell麻痺の最も厄介なのは、遅発性の後遺症が起こることです。上記の骨性トンネル内での神経の再生する際に異常な接続が形成され、異所性再生や混信伝導を起こすことにより病的共同運動が起こるようになります。例えば,まばたきをすると口周囲筋を支配する神経にも活動が伝わり麻痺側の口角が不随意に動いたいり、反対に口を動かすと目も閉じてしまうなどのです。唾液腺を支配していた副交感神経が大錐体神経へ異所性再生すると食事で唾液の分泌中に眼に涙が貯まる「ワニの涙」と呼ばれる現象が現れることがあります。あるいは顔面神経が長期間使われなくなるので、筋肉の永久的な硬化(拘縮)が起きることがあります。顔面神経減圧術や圧排術などでも麻痺が軽快しない場合は、美容的見地から、あるいは本人の希望などにより形成外科的手術もあります。

顔面神経麻痺後遺症に対する外科手術
数ヵ月の経過で顔面神経機能の回復が見込まれない時、古典的には舌下神経ー顔面神経吻合術がある。舌下神経から顔面神経末梢への再生による神経支配が起こることから、訓練を積むと顔面神経のコントロールが可能となる。また,顔面の運動は基本的に対称的であるため,健側顔面神経から顔面皮下を通じて患側へ末梢神経移植による吻合を行い、一部に筋移植を行う手技も実施され、一定の効果を期待できる。

ボツリヌス毒素療法
Bell麻痺は後遺症として病的共同運動・連合運動がみられることもあり、通常は麻痺筋の動きの回復に伴って3~4 ヵ月後から発生するとされる。これらの後遺症に対する治療法として顔面痙攣に有効であるボツリヌス毒素療法です。ボツリヌス毒素はボツリヌス菌の産生する菌体外毒素であり,その神経筋接合部遮断作用を神経疾患治療に応用している。現在製剤化され顔面筋への投与が認められているのはA型ボツリヌス神経毒素製剤BOTOXである.現時点では保険適応として眼瞼痙攣・片側顔面痙攣および痙性斜頸の3疾患に限って使用が認められており、投与資格を有する医師による厳格な事前登録制である。ワニの涙やアブミ骨筋耳鳴にもボツリヌス治療は有効であるとされる。

リハビリテーション
Bell麻痺に対して、マッサージや顔面の運動を含むさまざまな理学療法が推奨されているが,顔面神経麻痺に対する効果を証明する報告はほとんどありません。急性期においては,積極的にリハビリテーションを受ける時期ではないが,温熱療法やマッサージを行うことが多い。局所の温熱治療は蒸しタオルで暖めて血流の改善や顔面のこわばりの改善を目的としている。マッサージは、麻痺した顔面筋の収縮方向に揉むことで、血行を改善し、拘縮を予防し、顔面筋のこわばりやそれによる痛みを軽減することを目的とする。麻痺が数ヵ月以上継続するような回復が遷延する場合や麻痺の程度が強い場合、回復期に運動訓練を行われる。鏡を用いた顔面筋のバイオフィードバック訓練は、麻痺後の病的共同運動を予防する効果がある。鏡を見ながらあるいは手で触れて動かないことを確認しながら行うことにより,特定の筋収縮のみの訓練を行いやすくなり,病的共同運動の抑制につながる。顔面神経麻痺が続く場合でも,大脳皮質レベルでの顔面表情筋の神経支配の可塑性があり,新しい感覚-運動ループの再構築を促す可能性があるとの報告がある。今まで行われてきた低周波などの電気刺激療法は、顔面筋の共同運動を誘発する結果につながる可能性が指摘されている。麻痺の回復とともに重要な点は、選択的な顔面筋の分離運動の促通と病的共同運動の抑制を行い、顔面の拘縮と病的共同運動を予防することである。