尿中肺炎球菌抗原

肺炎の起炎菌の診断には、喀痰培養や抗体価の測定が行われているが、検体の質に影響されたり、病初期には役立たないことも多い。

画像の説明

肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の抗原が陽性。



市中肺炎でもっとも多い肺炎球菌(重篤な経過をたどるレジオネラ)は迅速な診断と適切な治療が予後にも重要です。

画像の説明

肺炎球菌、レジオネラ、インフルエンザ桿菌、髄膜炎菌などは、尿中へ菌体抗原が排泄される。尿検査は、簡便で非侵襲性、投与中の抗生剤の影響も受けない。成人における肺炎球菌感染症の特異度は90%以上だが、感度は70%程度に止まるので、ルールアウトには不向きである。また、一度尿中抗原が陽性になると長期にわたって陽性が続くため(3ヶ月以上続く症例もあり)肺炎を繰り返しているような症例では解釈が難しくなります。(肺炎球菌ワクチン接種後1週間は陽性の報告あり)治療には耐性菌も多く、喀痰培養による薬剤感受性の結果を待って、デエスカレーションが必要です。小児は、鼻咽頭に肺炎球菌を保菌しているため、有用性は低い。

15分ほどあれば出来る簡易な診断キットで、上手に使えば有用ですが、多くは入院施設で行う検査であり、診療所という設定ではあまり出番はありません。実は、診療所では、肺炎球菌肺炎の診断には、グラム染色が一番有用なんです。

尿中レジオネラ抗原

レジオネラ肺炎では、肺炎以外の症状があるのが特徴で、頭痛や意識障害下痢や腹痛などの他、低Na血症、肝機能障害、腎機能障害などの血液検査の異常も見られます。そして病歴で循環式風呂、温泉、プール、空調設備、給湯関連器機等のキーワードが出てくれば、レジオネラ感染症が疑われます。尿中レジオネラ抗原の特異度は99%以上、感度は70%程度と有用ですが、血清型タイプ1(約70%)しか陽性になりませんので、特殊培地(BCYEα、WYOα寒天培地)での培養検査も必要です。ちなみに、レジオネラはグラム染色では見えません。治療は、βラクタムが効かないので、マクロライドやニューキノロンを投与しないと治りません。