うつ病

うつ病のお話しですが、最近は自殺の話題から始めることが常道のようです。

自殺者数の推移

我が国では、年間10万人あたり、25人が自殺しています。全体として1億何万人で計算してみると、だいたい3万人にということになるわけです。パッと見てわかるのは、男性が2倍多いことがわかります。

画像の説明

世界では、どうでしょうか。旧ソ連、東ヨーロッパの国々の自殺率が高いのが目立ちますが、それらに次ぐ日本の自殺率の高さはなんなんでしょうか。裕福さと国民性?失われた十年と言われる時代のギャプの影響でしょうか。

画像の説明


我が国の死亡原因のベスト3は、がん、心筋梗塞脳卒中で、自殺は6位となっています。

画像の説明


また、健康寿命という人生の質から考えた最もらしい見方もあり、寝たきりで長生きしても仕方ないのではというのは納得できますよね。

画像の説明


さらに、ここで、自殺(うつ病)を考える場合の物差しとしてでてくるのが、障害を調整した生存年数(健康ロスの大きさ)つまり、50年間すごく健康で生きて突然死するのと、半分ぐらいの健康度で100歳まで生きるのは同じ扱いになるわけです。この指標を用いると、自殺は、第5位(うつ病 2位)あの手この手でいろいろ考えますよね。

画像の説明


下図の緑色が自殺です。10歳代から30歳代までの死亡原因のトップは自殺なんです。決して、病気や事故で死んでいるわけではありません。若い人の死って、80歳や90歳になって、大往生ですねっていうのと、ちょっと違いますよね。

画像の説明


自殺って、殺人(他人を殺す)とは違って、個人の自由な意思や選択で死ぬのにどこが悪いという風潮がありますよね。このような国民性については、歴史的に責任を取るための自殺や自己犠牲のための自殺が行われてきたという歴史性を指摘するものや日本人は自殺に対して寛容な文化を有するという指摘もある。人に迷惑をかける?確かに、残された家族には大きなトラウマを抱えさせるという場合もあります。世界保健機関(WHO)の自殺死亡者に関する研究では,自殺で亡くなられた方の約90%以上の方が、自殺既遂におよぶ直前には、何らかの精神科診断に該当する状態を有していたことが示唆されています。つまり、自殺は、自分の意志というよりは、病気で合理的な判断ができずに自殺に追い込まれているとなると、治療が必要であり、一方でへたに介入する事で、自殺をお手伝いする?((アクチベーション症候群)はめにならないようにしなければなりません。

画像の説明

自殺とうつ病などの精神疾患との関連は非常に強く、特にうつ病の割合が高いといわれています。自殺を予防するためには、うつ病の早期発見・早期治療を促す施策が進められています。また、自殺者の2~3割に物質関連障害(アルコール・薬物依存)への罹患が認められることが明らかにされており、失職や逮捕などのために社会的に孤立し、自殺に至る危険が高いといわれています。さらに、アルコールは酩酊によって衝動性を亢進させ、自殺行動を促します。



さて、自殺の契機(原因)は?と続きます。健康問題が一番多く、経済問題、家庭問題と続きます。健康問題の内訳としては、うつ病が原因として最も多い。

画像の説明

自殺の予測因子で自殺を察知する事は難しいと言われています。うつ病の患者さんは、実際に自殺を実行する前に、様々なサインを発することがあります。家族など周囲の人は、そうしたサインに気づくことで、自殺を未然に防ぐことも可能となります。 まだ危険性が低い段階で「死にたい消えてしまいたい」「生きていてもしかたない」「世の中が嫌になった」などの言葉を口にします。これは希死念慮と言われ、自殺を考えることはあってもすぐに行動に移る段階ではありません。この時点で家族や周囲の人は自殺のサインを上手にキャッチして、患者さんの話を共感しながら真剣に聞くことが重要です。田舎で診療していると、元気なおじいちゃん、おばあちゃんでも、長生きしすぎて、心ない?家族からないがしろにされて「早く死にたい・・・」と自分から言われる人は結構います。だからといって、みんな自殺するわけではないですよね。うつ病の場合は、自殺については、診察中に話題に出した方が良いと言われています。つらそうに見える人には「死にたいと思ったことはないですか」と率直に聞いてみた方が、本人は楽なようです。とくに、うつの人で(真面目なので)死なない約束ができる人は大丈夫なようです。更に段階が進むと、具体的な自殺の手段や場所など細かいことまで考えるようになり、急に明るくふるまったり、身辺整理を始めたりするなどの異常な行動がみられるときには、ためらわずに、無理やりにでも専門医療機関を受診させましょう。


画像の説明

このうつ病による社会的損失をなんとかするために、厚労省は地域医療計画の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病として指定してきた、がん・脳卒中急性心筋梗塞糖尿病の4大疾病に、新たに精神疾患を加え、5大疾病にする方針を決めた。

            2011年7月8日 日経新聞


さて、うつ病のお話しを始めましょう。

うつ」とは、こころにわだかまりがあって、気持ちが晴れ晴れしないこと。憂鬱。これは、だれにでもある気持ちですよね。喜怒哀楽なかったら、人間ではありませんね。

抑うつ」とは、うつと同じ言葉なんですが、うつ病を意識して、うつ病の前段階やうつ病の症状のひとつとしてうつという症状を表す時に抑うつと言います。

うつ病」とは、死にたいとてもつらい、つらさを紛らわすために大酒を飲んで体をこわした、学校に行けない、学校へ行けない、家事ができないなど、実際の生活が破綻しているのがうつ病です。憂鬱な気持ちだけではうつ病ではありません。臨床的に著しい苦痛や社会的な機能の障害がなければうつ病ではありません。



うつ病は、治療が必要なんです。放っておくと死ぬかもしれない病気なのです。以前、「こころのかぜ」と呼ばれたこともありますが、そんなに簡単に治る病気ではないのです。

日本におけるうつ病の生涯有病率(一生のうちに少なくとも一回はうつ病にかかる割合)はおよそ15人に1人と言われています。12ヶ月間有病率(現時点でうつ病と診断)は、2.2%です。(つまり、一般住民が100人いたら、2〜3人がうつ病です)ありふれた病気です。

図2

画像の説明

心療内科を受診して「うつ病」と診断された患者さんの受診歴調査において、初診で精神科、心療内科などの専門医を受診していたのはわずか1割でした。最も多いのは内科で64.7%です。しかし、僕の印象では、確かに「軽症うつ」「抑うつ反応」「適応障害」「気分変調症」などと診断されている”うつまがい”はたくさん来られていますが、本物はそれほどたくさんいないのではないかと思っています。


うつ病」の診断って、結構難しい

画像の説明

うつの患者さんが、内科を受診される時、どんな感じで来られるでしょうか?心療内科を受診される時のように、自ら「興味が出ない」「仕事ができない」「気分が沈んでいる」などと最初から話してくれません。どちらかというと隠します。どうでしょうか?うつ病の患者さんをうまく拾い上げられそうですか?、単に不眠症、胃腸の疾患にしてしまいそうですよね。



うつ病の症状(患者が自覚しやすいもの)

画像の説明

うつ病の患者さんが、訴える症状は、不眠が一番多く、体がだるい、頭痛と続きます。精神症状は、こちらから聞かないと言ってくれないのです。常に、こういったキーワードをきっかけに、「うつ病」への質問を発することができる準備が必要なんです。


うつ病の症状は、心と体の両方に現れます。このような症状が2週間以上も続いているのに、理由がわからない時は、かかりつけ医を受診してみましょう。

イラ01イラ02イラ03
   気分・感情障害     意欲・行動の障害     思考の障害 



うつ症状は、半数近くの人が、朝起きたときに最も強く、その後、夕方には少しよくなる傾向がありますが、決して”快調”になるわけではありません。(調子は悪いが、朝よりはまし)

画像の説明

また、既にかかっている患者さんの中にもうつ病は隠れています。慢性疾患のうつ病の有病率はもっと高いわけです。(特に、がん患者や心筋梗塞糖尿病は高い)実は、一般診療所では、身体疾患を抱えた患者さんには、8%がうつ病というデータがあります。血圧が急に上昇したり、血糖のコントロールが急に悪くなったりすると「薬をちゃんと飲んでるの」「なにか食べたんじゃないの」「ちょっと飲む量が増えてませんか」と言う前に、「なんかストレスありません?なにか心配事がありませんか?」って聞いてみましょう。ピンポン! 当たったら、後は放っておいてもボロボロ出てきますよ。

やはり、プライマリーケア医としても、うつ病の診断はできないとまずそうですよね。


うつ病の診断

画像の説明

専門の先生が使う「うつ病」の診断基準です。我々素人には、ちょっと使いづらいですよね。

まず、うつ病を疑うことが大事ですが、だからと言って、いきなり、

  • 「この1ヶ月間、気分が落ち込んだり、憂鬱になったりすることがよくありましたか?」
  • 「この1ヶ月間、物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくありましたか?」
    の質問は聞きづらいですよね。


    では、僕らがうつを診断するにはどうしたらいいでしょうか?

まずは、うつ病の身体所見として頻度の高い「ごはん食べれますか」「よく寝れてますか」から話を始めます。そして、もし食欲不振、不眠があれば、(1)(2)を聞きにいって、どちらかがひっかかって、ほとんど一日中、ほとんど毎日、2週間以上続くとなると、うつ病の可能性が高いと考えます。

イラ07イラ06
    食欲不振          不眠

また、不定愁訴が5つ以上あるとうつ病の可能性が高るようで、こういった患者さんは、漢方の得意分野でもあります。

鑑別疾患としては、甲状腺 薬物(β遮断薬、インターフェロン、経口避妊薬、エストロゲン補充療法など)膵臓がん 認知症などがあります。 


治療の基本は、「休養」と「薬」です。

画像の説明

しかし、仕事をせずに、薬を飲んで、家でぷー太郎生活をすればいい?わけですが、うつ病の患者さんには、これが難しいわけです。

うつ病は、いい人(気遣いがすごい)まじめ、責任感が強く、献身的(自分が悪い)な人がなります。しかし、まじめだけに、休養すること=さぼることと考えがちです。また、うつ病は、心の弱い人がなるというのがまだまだ一般的なイメージで、ただ「うつ病ですよ」って診断して、薬を出したとしても、うつ病の治療をするという抵抗感があり、すぐ薬を飲むのを止めてしまう治療中断がとても多い病気なのです。しっかり休養して、薬を飲んでもらうためには、本人が、「うつ病」という病気について十分に納得する必要があるのです。


まず、「うつ病」は、誰もがなる可能性が病気であり、必ず治る病気であることを説明します。(治療をすることで自殺を減らすことができる)うつ病は、脳のホルモンが減って、いろいろな症状がでる病気です。その症状のひとつに衝動を制御することの障害で、焦燥感や自殺したい気持ちにさせられてしまう病気なんで、治療が必要なんです。

名称未設定2



抗うつ薬

画像の説明

うつ病の患者さんは、神経伝達物質であるセロトニンが少なくなっています。うつ病のお薬は、このセロトニンの分泌を促したり、再取り込みを邪魔してその働きを増やすわけです。



内科医が、軽症のうつ病の治療へ介入できるようになったのは、このSSRIという副作用が少ない?お薬が発明されたからです。

年表


プライマリーケア医の守備範囲

SSRIが世に出てきた頃は、専門外でも安全に使える抗うつ薬ということで、うつっぽかったら、どんどん気軽に使って良いですよって感じの言われ方をしていたのが、突然、自殺が増えるというようなデータが出てきて、一挙に素人が安易に使ってはいけないというように反対に振り子が振られることが起こりました。(新薬ではよくあることですが・・・)

画像の説明


うつ病という診断が間違っていなければ、安全な薬で問題ないわけですが、躁鬱病(双極性障害、発症年齢が若い(20〜30歳代が多い。過眠、過食傾向になりやすい)とパーソナリティー障害(攻撃的で、人間関係、社会適応の問題を起こしやすく、リストカット痕あり)アルコール依存症などに抗うつ薬を処方してしまうとより元気にしてしまって、衝動的に自殺するというような結果になってしまって危ないわけです。最近では、遊びにはいけるけど、仕事はできないというような、それって病気?というような新型うつ病と呼ばれる概念まで出て来ています。僕自身、こんな都合のいいうつ病まがいの疾患までハードルと下げる気は全くありません。そういった意味では、プライマリーケア医は、元気のない(眠れない、食べれない)うつを診れば、いいわけです。

よろず診療所としていろいろな疾患をなるべく受け入れて診ているわけですが、やはり、どこまで診るか、どこまで引っ張るかというのは、考えておかなければならないわけです。現時点では、若い患者さん(20〜30代)抗うつ薬を1ヶ月飲んでも効果のない患者さん、自殺の話題がでる患者さん、最近の未熟な自己形成のため、自己中心的、自己愛的な新型うつ病?などは、僕のような内科医では対応は難しいと考え、紹介するようにしています。


名称未設定2

真面目で、途中でなげだせないので、頑張りすぎてうつになってしまいます。社会的にはいい人ですが、あなたの体には悪い人なのです。酷使した体を休ましてあげましょう。休養することに罪悪感を持っています。頑張ってさぼりましょう。うつ病の休養は、正常な人の休養とはちょっと違います。うつ病の場合は、全てを楽しいと感じられなくなっているので、旅行に行ったり、映画を見に行ったり、人と会ったりすること(決まった時間に予定通りするというのがとても苦痛)は大変負担になります。最初の1週間は、放ったらかしにしたげるのがいいのです。めざせ寝たきり状態です。

うつ病は、「心の骨折」です。(山田𡧃以先生はうまく言いますね)ある程度、良くなるまでは、休養が必要で(安静にして)1〜3ヶ月はかかります。よくなったらリハビリにさらに数ヶ月かかります。うつは、治るのに最低でも3ヶ月〜半年はかかるわけです。抗うつ薬は、4週間ぐらい連続して服用してやっと効くお薬です。効果が感じられるまでの最初の段階で、まずは抗不安薬や睡眠薬(抗ベンゾジアゼピン系)を併用して、イライラや不安を解消してあげましょう。

画像の説明


画像の説明

前述したように、うつ病の患者さんは、ちょっとしたことで怠薬しがちです。アドヒアランスを上げるためには、副作用(眠たい、吐き気、下痢など)が、起こる3日以内に、なにかあれば、直ぐに連絡するように伏線を張っておくことが大事です。


うつ病は、3〜6ヶ月で治りますが、再発もしやすい病気です。人生を楽しむことが一番の薬です。元気になられたら何がしたいですかなど趣味などを聞きながら、1〜2年は、抗うつ薬を飲みながら、経過観察するのが無難です。

画像の説明



うつ病と不安障害の合併

うつ病でも、ちょっとおかしいなと違和感を感じることがあります。不安とは、明確な対象をもたない怖れの感情です。人が生きていくための一種の防衛反応であるとも言われています。「うつ病」と同じように、不安が長期間にわたり継続し、生活に支障をきたす場合は、「不安障害」と診断されます。 細かいことはよくわかりませんが、その症状によって「パニック障害」「強迫性障害」「社会不安障害」などに分類されています。診断は、さておき、内科を受診するうつ病の多くは、この不安神経症的なうつ病まがいの疾患群が多いのではないかと思っています。

動悸や胸痛、食欲不振、不眠、しんどいなどの不定愁訴で、いろいろな病院に行って、「異常なし」「気のせい」と言われて、当院に流れ着く患者さんもおられます。検査では、異常なくても患者さん自身は身体を異常を感じているわけですから「症状については、いっしょに考えてみましょう」ってことですよね。漢方薬のところでも書きましたが、いくら医学が進んだといっても生命の不思議さなんて、みんな説明できるわけはないのです。できれば、ストレステストなどで、症状を再現して、上手にセルフコントロールできるようにしてあげればいいのですが、原因は、結構自分でも気づいていないところにあったりもするものです。まずは、食事、運動、睡眠等のライフスタイルを整えることが基本です。

薬物療法では、上手に、抗不安薬、睡眠薬を使って、睡眠の確保することが大切です。ベンゾジアゼピン系の薬は「依存性があるんじゃないか」「認知症になるんでは」などいろいろな声が聞こえてきますが、バルビツール系とは違い、副作用もほとんどなく、安全に処方できる薬です。ベンゾジアゼピン系は、脳内で興奮をしずめるGABAという物質の働きを高める事で、気分をリラックスさせ、不安や緊張感を和らげて、抗不安作用、睡眠作用や筋弛緩作用を発揮します。

ベンゾジアゼピン系のお薬の力価(薬の効き目の強さの目安)と血中半減期(薬の効く時間の長さの目安)を一覧です。僕の印象とはちょっと違う所もあるんですが、まあ、人それぞれですね。いくつかの薬を使い分ければOKです。僕の場合は、超高齢者には、最も弱いものとしては、ここには載ってませんが、グランダキシンを処方しています。普通は、リーゼが最も弱く、セルシン、ワイパックス、メイラックスが中程度、デバス、セパソンが強め、最も強いのは、ソラナックスは、僕らが飲んでも眠たくて、フラフラするかもしれません。一般的には、

画像の説明

眠気が続いてしまったり、お薬が効いている時間は注意力・集中力・反射運動能力が下がったりします。お薬が効いているあいだはなるべく安静にしましょう!

 一方、長時間効果が続いてずっと効果を発揮し続けるのがメイラックスなどのお薬。これらのお薬は、1日1回服用すると1日中効果を出してくれるので、日中・夜間に限らず常に効果を発揮したいときなどに使われますね。

画像の説明

[パニック障害(Panic Disorder :PD)]
パニック障害は、何の前ぶれもなく突然、心臓が激しくドキドキしたり、呼吸が苦しくなったり、めまいや身体が震えるなどの症状と激しい不安感が発作的に起こる病気です。このような発作を“パニック発作”と呼びます。心筋梗塞と間違われることもあります。

[強迫性障害(Obsessive Compulsive Disorder :OCD)]
強迫性障害とは、不快な考えが頭に何度も浮かぶために、その不安を振り払う目的から同じ行動を繰り返す病気です。一度、家を出た後にまた戸締まりの確認に戻る、何回も手を洗うなどです。

[社会不安障害(Social Anxiety Disorder :SAD)]
大勢の人の前で話す、初対面の人と会話をする、電話の対応をする、大切なお客様にお茶を出す、人前で字を書くといった状況で、「緊張したり」「不安を感じたり」することは、多かれ少なかれ誰にでもあることですが、社会不安障害は、このような状況に置かれたときに普通の人よりも「強い不安」を感じ、この様な状況を回避するために、仕事場や学校での社会生活に支障をきたすようになるのです。

ここまで行くと、お手上げです。高森先生、よろしくお願いします。


「こころの悩み相談ください」いうポスターもなにげなく掲示しています。

画像の説明

いのちの電話」最近は地域社会でも繋がりが疎遠になってしまって、大阪のおばちゃんのような「おせっかい」を行政が担う時代になっています。電話で30分間、時間稼ぎをすれば、自分はなんの約にもたっていない絶望的な孤独感から、誰かと繋がった感が、自殺を思いとどまらせるのに大事なんですね。


摩訶不思議な精神科

「佐野内科ハートクリニック」という名前に誘われて、たまに本物の精神科疾患が紛れ込んでくることがあります。目つきがおかしく、会話が成立しません。お薬手帳を拝見すると抗精神病薬がずらりと並んでいます。これは、ちょっと僕の手には負えないということで、お引き取り願うわけですが、話があちこちに飛び火して収集がつかなくなって難渋する事がしばしばあります。2012年の診療報酬改訂で、統合失調症などに用いる向精神病薬について多剤処方の是正し、適正使用を促すために3剤以上投与した場合、「精神科継続外来支援・指導料」が2割減算されました。統合失調症が悪化したのか薬の副作用なのかよくわかりませんね。

画像の説明

うつ病も、自殺を防ぐためには、早期発見、早期治療が大事と言いながら、副作用(アクチベーション症候群)で自殺されたら元も子もありません。外傷後ストレス障害も生きていればいろいろな事があるでしょうし、強迫性障害も鍵をかけ忘れたかと思って何回も確かめたり、手を何回も洗ったりするようなことは(僕なんか、食事前に嫁さんに手を洗いましたか?と言われる始末です。職業柄、少し強迫観念があった方がいいかも)たいした障害ではないんでは? こんなことで薬を飲まされた方が、いろいろと生活に支障がでるような気がします。社会不安障害なんて、あがり症の人は当たり前田のクラッカーですね。小さい時から赤面症の僕なんて、学会発表の時などは、足はガクガク、声も振るえ、いっさい原稿から目が離せず、大変でした。最近は、立場的なこともあり、人前で話をしなくてはならず、場数を踏んだことで慣れもあり、ちょっとはましになりましたが、それでもβ遮断薬とPPIは欠かせません。新型うつに至っては、ただのわがままなだけでしょう。プライマリーケア医にとっては、精神科疾患は、診断基準があってないような主観的なことばかりで、偉い先生がこう言えば、はいその通りですって、摩訶不思議な世界です。