高カリウム血症

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心電図変化

K値 5.5〜6.5 テントT波
6.5〜8.0 P波消失
PR延長、QRS幅拡大、徐脈、ブロック
8.0以上  Sine wave、VT、VF、心停止

T波の増高には、心筋梗塞が有名ですが、高カリウムの場合は、幅が狭く左右対称になります。

高カリウム血症の原因は、溶血が最も多いので、治療が必要かどうかの判断には、心電図や臨床症状(辛い、しんどい)での確認が大切です。

 

老人ホームなどでよく見られる血管迷走神経反射性失神は、血圧低下+徐脈になるので有名ですが、鑑別診断として重要なのは、高カリウム血症や下壁心筋梗塞(ブロック)、低体温、甲状腺機能低下症などがあります。


心電図が、wide QRSになっていたら、治療は一刻を争うのでスピード感が大事です。

まずは、カルチコールの静注です。1A(10ml)を3分以上かけて、ゆっくり静注します(心筋保護)モニターを見ていると1〜3分で変化が現れます。効果は30〜60分持続します。効果がなければ、5分後にもう一度カルチコールを1A静注します。ただし、ジキタリス中毒による高カリウム血症には禁忌です。心電図変化が激しい場合は、生食100ml+カルチコール1A(10ml)を30分かけて点滴します。
その後、メイロン(1mEq/kg)静注です。7%メイロン50mlで42mEqが入る。(2〜3A 100mEqを超えない)pHを上げて、カリウムを一時的に細胞内へシフトすることを狙っている。
その他としては、ラシックス(20〜40mg)静注します。

そして、透析のできる施設にすぐに搬送しましょう。

虎ノ門病院での検討で、血清カリウム値は、糖尿病の合併、ACE阻害薬投与、ARB投与、加齢の順で関与していました。薬で多いのは、ARB/ACEの他に、K保持性利尿薬、β遮断薬、NSAIDs、ST合剤(バクタ)ジゴキシンなどがあります。

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カリウムは、体内で最も多い陽イオンで、その90%が細胞内液にあり、細胞外液の多く含まれるナトリウムとバランスを取り合っています。血中カリウム濃度は、3.5〜5.0mEq/Lで、神経や筋肉の働きに重要な役割を持っています。特に心筋への影響が非常に大きく、血中濃度が高くなりすぎる(6.0mEq/L以上)と心臓が止まってしまうこともあります。

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慢性腎不全や高カリウム血症と診断された場合は、カリウムの摂取量を1500mg/日以下に制限します。

カリウムは水に溶けやすい性質を持っています。カリウムの含有量が多い食材でも「よく洗う、ゆでる」ことでカリウムを減らす事ができます。(電子レンジによる下ごしらえではカリウムは減りません)

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飲み物100mlに含まれているカリウム量です。玉露、抹茶、青汁は特にカリウムを多く含みます。野菜ジュース、フルーツジュースも気をつけましょう。牛乳も結構たくさんのカリウムを含んでいます。
サイダーやコーラなどの炭酸飲料、日本酒、焼酎、ウイスキーなどの酒類はカリウムをほとんど含みません。

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外食では、洗ったり、ゆでたり出来ません。カリウム含有量の少ないメニューを憶えておきましょう。

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果物は、生食を避け、缶詰にしましょう。ココアやコーヒーはカリウムが多く含まれます。

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血液検査の結果での血清カリウム値について

◎全血で長時間冷蔵保存するとカリウム値が上がります。(3時間で0.5程度、6時間で1.0程度上昇)
◎溶血によって、カリウム、ALT、LDH、酸フォスファターゼ、TP、血清鉄などが上昇します。
◎採血時のクレンチング(手を開いて、再度強く握る)やハンドグリップ(拳を強く握らせる)などの方法で採血すると上がります。(0.2〜1.3)これを偽性高K血症と言われます。生化学のスピッツは最後にとりましょう