リスパダール

【組成・性状】リスペリドン(一般名)
       錠1mg 2mg(剤形)

【効能・効果】統合失調症

【用法・用量】1回1mg 1日2回より開始 維持量は2〜6mg分2

リスペリドン

【使用上の注意】

【蘊蓄】作用機序は、ドーパミン受容体拮抗作用です。統合失調症や覚醒剤使用などは、ドーパミン過剰な状態と考えたれています。リスパダールを投与し、ドーパミンを抑制すると統合失調症の症状も改善します。しかし、抑えすぎるとドーパミンが枯渇して錐体外路症状(パーキンソン様症状)が出てきます。パーキンソン病は、もともとドーパミンが枯渇した状態です。Lードーパを投与してドーパミンを補充してあげるとパーキンソン病の症状は改善します。しかし、過剰に投与すると副作用として幻覚などを認めます。せん妄の発生機序は不明ですが、脳内のドーパミンとアセチルコリンのバランスが保たれた状態が意識が清明とし、アセチルコリンが枯渇してせん妄が起こると考えると、リスペリドンを投与してドーパミンも抑制すれば、バランスがとれて、意識レベルも改善すると考えられます(理論が正しいかどうかは別として憶え方として)

ドグマチール

【組成・性状】スルピリド(一般名)
       錠50mg

【効能・効果】統合失調症 うつ病

【用法・用量】1日150〜300mg 分1

 

ドグマチール

【使用上の注意】低用量で抗うつ作用、高容量で抗精神病作用 用量として150mg出すと、錐体外路症状がでやすいので、50mg/日で十分である。 食欲低下などうつ病の初期に有効

昼間のせん妄に適応

セレネース

【組成・性状】ハロペリドール(一般名)
       錠0.75mg
       注 5mg/ml

【効能・効果】統合失調症 

【用法・用量】1日0.75〜2.25mgから始めて漸増 維持量は3〜6mg

セレネース

【使用上の注意】せん妄に 551蓬莱セット 輸液500ml+ロヒプノール5A+セレネース5A+アキネトン1A

 

ワコビタール坐薬 

画像の説明

【組成・性状】フェノバルビタール(一般名)
       坐剤 100mg

【効能・効果】てんかんの痙攣発作 

【用法・用量】小児は1日体重あたり主成分として4~7mg/kgを直腸内に挿入

セデーションとして最初、100mg坐薬を1日2個12時間毎に開始。ワコビタール坐薬は速効性がなく、開始後24時間ほどで効き出します。少ない量、200mg/日ぐらいなら話しかければ応答してくれるほどの軽い鎮静が得られます。

中枢神経に対し抑制作用をあらわし、鎮静、催眠、抗てんかん作用を示します。通常、小児で薬の服用が困難な場合の催眠、不安・緊張状態の鎮静、熱性けいれん・てんかんのけいれん発作の改善に用いられます。

【副作用】軟便、肛門部痛、尿失禁、発疹、黄疸、眠気、ふらつき、下痢

 

セロクエル

【組成・性状】クエチアピン(一般名)
       錠25mg

【効能・効果】統合失調症 

【用法・用量】1回25mg 1日2〜3回より開始、漸増し150〜600mg2〜3回分服

セロクエル

【禁忌】糖尿病

【蘊蓄】ドーパミン受容体拮抗作用は弱く、アカシジアを起こすことは稀。作用時間は6時間ぐらい、夜間のみにせん妄がある場合に適応 睡眠作用あり。

25mgで開始。50mgに増量(100mgまで)効果を確認しながら投与。しかし、高齢者が年齢、体格、症状などにより25mgでも多すぎる場合もあり。さじ加減はプライマリーケア医には難しい。レビー小体型認知症では薬剤過敏なども隠れており気を付けたい。

ジプレキサ

【組成・性状】オランザピン(一般名)
       錠5mg

【効能・効果】統合失調症 

【用法・用量】1日1回5〜10mgから始めて漸増 維持量は1日1回10mg

ジプレキサ

【使用上の注意】長く効いて眠たい。昼夜を問わずせん妄が診られる場合に使われる。タバコを吸っていると効きにくい。

症例case study 喫煙によりオランザピンの効果減弱が疑われた症例

30歳,男性,統合失調症患者。10年間以上,1日80本ほどの重度の喫煙をしていた。服薬コンプライアンス(アドヒアランス)が悪く,統合失調症の陽性症状(幻聴,関係妄想)が強くみられ,攻撃的な行動やクロザピン100mg/日の服用下での深刻な起立性低血圧が認められたため入院した。処方薬をオランザピン7.5mg/日に変更したところ,症状は着実に改善した。病棟の規則により,喫煙は1日4本までに制限されていた。退院後,喫煙習慣は元に戻り,1日80本程度喫煙するようになったところ,服薬コンプライアンスは問題なかったにもかかわらず,2週間後に再び幻聴,関係妄想,攻撃的な行動などの症状が現れた。患者は再度入院となり,1週間でオランザピンの投与量を15mg/日まで漸増し,定常状態になるまで7日間禁煙とした(オランザピンの血漿中濃度52.1ng/mL)。その後,喫煙量は1週間に4本まで徐々に増えた。退院後,服薬コンプライアンスは家族が確認をしており,投与量を15mg/日へ漸増して28日目の喫煙量は1日12本で,統合失調症の症状は限定的であった(血漿中濃度21.2ng/mL)。その後,喫煙量が再び1日80本程度まで増えたところ,症状が再度みられたため,退院後10日目に緊急入院した。2日間再度禁煙し,オランザピンの血漿中濃度は30.9ng/mLとなった。本例では,喫煙本数の増加に伴いオランザピンの血漿中濃度が低下し(オランザピンの治療効果がみられる最低濃度23.2ng/mL4)),症状が悪化したと考えられた。

 

喫煙習慣がある患者では,たばこの煙に含まれる成分により肝臓などに発現しているCYP1A2が誘導されるため,テオフィリン(テオドールなど)やオランザピン(ジプレキサ)などの,CYP1A2により主に代謝される医薬品の体内動態に影響を及ぼすことが知られている。代謝酵素の誘導により,喫煙時にはCYP1A2で代謝される医薬品の血中濃度は低下し,非喫煙時より高い用量が必要になる。その一方,禁煙時にはCYP1A2の誘導が解除され,CYP1A2で代謝されるテオフィリンやクロザピン(クロザリル)の血中濃度が上昇し,副作用が現れやすくなる。禁煙時や喫煙開始/再開時などの喫煙習慣が変化する際には,CY P1A2の代謝能は1週間程度をかけて定常状態に達するため,血中濃度のコントロールが重要となる医薬品では副作用に注意しつつ,投与量を漸減もしくは漸増することが推奨される。

 

グラマリール

【組成・性状】チアプリド(一般名)
       錠25mg

【効能・効果】脳梗塞後遺症に伴う徘徊、せん妄 ジスキネジア

【用法・用量】1日75〜150mg 3回分服 6週間で効果がなければ中止

グラマリール