アミラーゼはでんぷんを分解して糖をつくり出す消化酵素で、主に膵臓や唾液腺から分泌されます。アイソザイムでは膵臓から分泌されるP型と唾液腺から分泌されるS型の2種類があります。

アミラーゼが高いと言われたら、まずは、急性膵炎を考えて、炎症反応(WBC、CRP)や血中リパーゼ、尿中アミラーゼなどもオーダーします。

ヤケ食いやドカ食いをすると大量の食物を消化するため、膵臓から大量の消化酵素が分泌され、膵臓が自己消化を始めてしまうのが急性膵炎です。急性膵炎になると患者は上腹部に激痛を覚え、苦悶します。急性膵炎では、発症1〜12時間以内に血中に急速にP型アミラーゼが上昇が始まり、多くは1〜2日でピークに達し、経過とともに尿中に移行し、回復すれば3〜4日で基準範囲に戻るのが一般的です。血清アミラーゼは基準値上限の数倍から30倍に達することがありますが、重症度とは関係ありません。尿中アミラーゼは、血中アミラーゼ値よりも高値が持続するため、血清アミラーゼと尿中アミラーゼの両方を測定しましょう。リパーゼは膵特異的な酵素であり、アミラーゼよりも異常高値の持続時間が長く、急性膵炎の診断において感度、特異度が高く、最も有用な膵酵素です。膵炎が疑われる場合は、アミラーゼだけでなくリパーゼも測定しましょう。

急性膵炎が除外できたら、アミラーゼアイソザイムを測定します。

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マクロアミラーゼ

アミラーゼにはマクロ型といって分子が巨大化した変り種があり、マクロアミラーゼ血症といいます。全人口の0.1~0.2%、高アミラーゼ血症の人の0.5~2.5%にみられます。マクロアミラーゼとはアミラーゼに免疫グロブリン(IgAやIgG)がくっついたものです。分子が巨大化したため、腎臓(糸球体)を容易に通過できなくなり、血中アミラーゼが高値になります。一方、尿中アミラーゼは異常低値となります。膠原病、潰瘍性大腸炎、クローン病、肝機能障害、糖尿病、悪性腫瘍などの疾患で比較的高率に検出されるという報告がありますが、マクロアミラーゼと疾患との間に明確な因果関係はなく、健常者にもみられ、臨床的意義はないため、血清アミラーゼ検査で経過観察します。患者群を対象としたマクロアミラーゼの集計結果からは,年齢は50歳代以上,男性に多く,結合免疫グロブリンではIgA型が80%以上みられました。アミラーゼ・クレアチニン・クリアランス比(ACCR:(尿中アミラーゼx血中クレアチニン)/(血中アミラーゼx尿中クレアチニン)x100)は、膵疾患と非膵疾患、マクロアミラーゼ血症の鑑別に有用で急性肝炎では上昇し、唾液型の高アミラーゼ血症や健常者では正常(2〜3%)マクロアミラーゼ血症では1%以下と著しく低値になります。ACCR値の低下でスクリーニングし、確定診断は電気泳動によるアイソザイム分析が必要になります。