乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)は細胞の中で糖を分解してエネルギーを作る仕組みに関わる重要なタンパク質です。人間の体の多くの細胞に含まれています。特に多く含まれるのは、赤血球、白血球、血小板の他、肝臓、筋肉(骨格筋、心筋)肺、腎臓などです。LDHは、いろいろな臓器の細胞に含まれるので、どの臓器が障害されているのかは特定できません。LDHが高値の場合に、もう一つの大事な原因として、悪性腫瘍があります。がん細胞は細胞回転が早いためLDHが多く放出されて高値を示すことがあります。病的ではない場合に上昇する原因としては、マラソンなどの激しい運動や採血時のクレンチング(手のひらを繰り返し開閉する運動)を過剰に行った場合、採血中に血液の流入が悪く、無理に吸引してしまったり、採血後に検査センターに搬送中の衝撃や振動によって血液細胞が破壊されることがあり、これらによる偽りのLDH上昇例も見られます。