食中毒

画像の説明

夏は食中毒の季節です。食中毒というと、外食で起こると思われがちですが、家の食事でも発生しています。家では症状が軽かったり、発症する人が1人や2人のことが多いことから風邪や寝冷えなどと思われがちですが、重症化することもあります。「食中毒」は行政用語であり、飲食に起因する健康被害が生じた場合に用いられる。食中毒の原因としては、細菌、化学物質、自然毒などがあるが、80%以上は、細菌(サルモネラ、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌、カンピロバクターなど)やウイルス(ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなど)などの病原微生物が占める。夏季は細菌、冬期はノロウイルスによるものが多い食中毒を疑われる患者を診た場合は、迅速に治療を開始することはもちろんのこと、被害の拡大を最小限にとどめるために、食品衛生法により24時間以内に保健所届けを行う義務が課せられている。(実際は、保健所に電話をして助言を求めて指示に従うとよい)法律家ではありませんが、1998年制定の感染症予防法(2003年改訂)学校保健法施行規則などに従い、患者の人権にも十分に配慮して、入院、就業、出席停止等を措置しなければならない。


医師からの届出により腸管出血性大腸菌の感染症又は食中毒が発生していることを探知した保健所は、患者の過去の行動調査(喫食調査、動物との接触歴等)や、患者の家族の健康調査、利用した施設の調査、関係食品等の試験検査等を行います。調査の結果、食中毒と判断された場合、被害の拡大防止のため、原因食品の回収・廃棄や、原因施設の営業の禁停止等の措置がとられます。また、感染症であった場合は、感染源の消毒等が行われます。なお、複数の地域で単発的に発生しているようにみえても、広域に流通する同一食品を原因とする食中毒の発生もあることから、食中毒調査では、食品の流通状況のさかのぼり調査や、患者や食品から検出された菌のDNAの型の確認を合わせて行われます。

画像の説明

食中毒菌が増えるには、温度、栄養分、水分の条件があり、この条件がそろうとどんどん増殖していきます。高温でも生き残る菌、わずかな菌量でも発症させる菌および低温でも増殖する菌等、食中毒菌にはいろいろなタイプがありますが、基本的には三つの原則に従って取り扱えば、食中毒を防ぐことができます。

画像の説明

画像の説明画像の説明画像の説明

昨年(平成23年)各地の老人ホームでノロウイルスによる集団感染があった。感染源は食物ではなく、感染者の便や吐物に含まれていたウイルスが飛沫や介助者の手指を介して広がったもので、これは食中毒ではなく「感染性胃腸炎」である。腸炎ビブリオや黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などは、感染性胃腸炎の形をとることはほとんどなく「食中毒」として見られる。

食中毒と聞くとびっくりしますが、よく考えてみて下さい。最近、抗菌グッツなるものが持て囃されていますが、我々の回りにあるもの、食べているもので全く無菌なものなど存在しないのです。人はもともとばい菌だらけの世界で生活しているのです。人間の体は、以外と丈夫にできていて、少々のばい菌が体内に入ってきても、免疫力で胃腸の中でばい菌の増殖を押さえ、病気を起きないようになっているのです。

では、どういう場合に食中毒になるのでしょうか。たとえば、体の免疫力が落ちている時です。遊びすぎ、過労、育児疲れ、寝不足などです。同じ食事を取ったとしても、免疫力のある人はなんともなくても、免疫力の落ちている人ではばい菌が増殖し胃腸炎が発生するのです。また、大量のばい菌が食物に含まれていた場合です。夏場に食中毒が発生しやすい原因がこれなのです。

厚生労働省の統計によると、毎年2~3万人は患者が発生し、横ばい状態です。。原因となる微生物は、時代とともに変化しています。かつては腸炎ビブリオ(たんぱく源の多くを魚介類を食べていた)ブドウ球菌、サルモネラ属菌が三大食中毒として挙げられていましたが、近年の食生活の欧米化で、若者を中心に魚離れが進み、乳・肉・卵類を食材とする料理や洋菓子が好まれるようになり、サルモネラ属菌やウェルシュ菌、カンピロバクター菌等、牛、豚、鶏など、家畜・家禽類の腸管に由来する菌が増加しています。

画像の説明

画像の説明

画像の説明

カンピロバクター

鶏・牛・豚などの家畜や、犬・猫などさまざまな動物の腸管内にいる菌です。

原因食材鶏の刺身、牛レバ刺、ユッケ、加熱不十分な焼き肉など
潜伏期間2〜7日
症状下痢、腹痛、発熱(37〜40℃)
稀にギラン・バレー症候群
予防熱に弱く、75℃以上、1分以上の加熱で死滅
備考感染力強く、少量の菌で発症
近年、食中毒の原因菌、No.1。

カンピロバクター食中毒は、患者さんが1名の事例が多いことも特徴です。1978年に米国において飲料水を介して約2000人が感染した事例が発生し、注目されるようになりました。カンピロバクターは17菌種(2005年現在)に分類されていますが、ヒトの下痢症から分離されるのは、カンピロバクター・ジェジュニがその95%以上を占めます。カンピロバクターは本菌に汚染された食品、飲料水の摂取や動物との接触によってヒトに感染します。100個程度と比較的少ない菌量を摂取することにより感染が成立することが知られています。多くの患者は1週間で治癒しまうが、稀に年少者・高齢者、その他抵抗力の弱い者は重症化することもあり注意が必要です。また、潜伏時間が2~7日間とやや長いことが特徴です。また、稀にカンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症することがあります。厚生労働科学研究事業の報告では、市販の鶏肉についてカンピロバクター汚染調査を行ったところ、鶏肉の汚染率は20~40%という結果が出ています。カンピロバクター食中毒の予防は、食肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行うほか、二次汚染防止のため、食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存を行う、食肉を取り扱った後は手を洗ってから他の食品を取り扱う、食肉に触れた調理器具等は使用後洗浄・殺菌を行うことが重要です。

画像の説明

サルモネラ属菌

鶏や豚、牛などの動物の腸管内や河川、下水など自然界に広く分布しています。

原因食材鶏卵、カツ丼、オムレツ、ケーキ、プリン、牛肉のたたき、うなぎなど
潜伏期間5〜72時間
症状嘔吐、下痢、腹痛、発熱(38〜40℃)
予防熱に弱く、75℃以上、1分以上の加熱で死滅
備考高齢者や子供は重症化することあり。


画像の説明

腸炎ビブリオ

海水や海底の泥の中にいる細菌で、海水温が高くなると海水中で大量に増殖するため、気温の高くなる夏場は特に魚介類が原因食品となっています。

原因食材生の魚介類(刺身、寿司、魚介加工品など)
潜伏期間10〜24時間
症状嘔吐、下痢、腹痛、発熱
予防熱に弱く、60℃以上、10分以上の加熱で死滅
塩分を好み、真水では生きられません。魚介類は、水道水で丁寧に洗いましょう。
備考魚介類を扱った調理器具や手指を介して二次汚染された、漬物など塩分濃度の高い食品が食中毒の原因となることがあります。


画像の説明

腸管出血性大腸菌O157

牛などの動物の腸管にいる菌です。

原因食材牛肉や牛レバーなどの生食や加熱不十分な肉類
※食肉や家畜の糞便等によるニ次汚染により、あらゆる食品が原因となる可能性があります。
潜伏期間3〜5日
症状激しい腹痛、水様性下痢、血便
重症の場合、菌が産生するベロ毒素により、溶血性尿毒症症候群を引き起こし死に至ることもあります。
予防熱に弱く、75℃以上、1分以上の加熱で死滅
備考感染力強く、少量の菌で発症
感染力が極めて強く、わずかな菌数で発症します。



O157(Escherichia coli O157 )について

大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、人に嘔吐や下痢、腹痛や重篤な合併症を起こすものもあり、病原大腸菌と呼ばれています。様々な種類の大腸菌は病気の起こし方によって、主として以下の5つに分類されます。

(1)腸管病原性大腸菌:小腸に感染して腸炎等を起こします。
(2)腸管組織侵入性大腸菌:大腸(結腸)粘膜上皮細胞に侵入・増殖し、粘膜固有層に糜爛(びらん)と潰瘍を形成する結果、赤痢様の激しい症状を引き起こします。
(3)腸管毒素原性大腸菌:小腸上部に感染し、コレラ様のエンテロトキシンを産生する結果、腹痛と水様性の下痢を引き起こします。
(4)腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌、志賀毒素産生性大腸菌):赤痢菌が産生する志賀毒素類似のベロ毒素を産生し、激しい腹痛、水様性の下痢、血便を特徴とし、特に、小児や老人では、溶血性尿毒症や脳症(けいれんや意識障害など)を引き起こしやすいので注意が必要です。
(5)腸管凝集性大腸菌:主として熱帯や亜熱帯の開発途上国で長期に続く小児などの下痢の原因菌となります。我が国ではまだほとんどこの菌による患者発生の報告がありません。

近年、食中毒の原因となって世間を騒がせているものは、(4)腸管出血性大腸菌のO157がほとんどです。(毒素を産生し、出血を伴う腸炎や重篤な合併症を起こすものとして、その他にO26、O111、O128およびO145などがあります)大腸菌は、菌の表面にあるO抗原やH抗原により分類されています。O157とはO抗原として157番目に発見されたという意味です。(現在約180に分類)

腸管出血性大腸菌は、毒力の強いベロ毒素(志賀毒素群毒素)を出し、溶血性尿毒症症候群(HUS)などの合併症を引き起こすのが特徴です。ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌はO157がが最も多いのですが、O1、O26、O111、O128、O145等の血清型の一部にもベロ毒素を産生することが報告されています。

腸管出血性大腸菌による食中毒は、年間10~30件(患者数は100~300人)で推移しています。腸管出血性大腸菌O157の感染事例の原因食品等と特定あるいは推定されたものは、井戸水、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、シカ肉、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン、白菜漬け、日本そば、シーフードソースなどです。このように腸管出血性大腸菌は様々な食品や食材から見つかっていますので、食品の洗浄や加熱など衛生的な取扱いが大切です。また、動物と接触することにより感染した事例も報告されております。

O157感染症に感染しても、まったく症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症をおこし、時には死に至るものまで様々な臨床経過をたどります。感染の機会のあった者の約半数で3〜8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発症します。さらに、腹痛、血便(出血性大腸炎)を起こす場合もあり、有症者の6〜7%で、下痢から5〜7日後(激しい腹痛、血便から数日後)に溶血性尿毒症症候群や脳症などの重症合併症を起こすことがあるので注意が必要です。

HUSとは、溶血性尿毒症症侯群(Hemolytic Uremic Syndrome)の略です。様々な原因によって生じる血栓性微小血管炎(血栓性血小板減少性血管炎)による急性腎不全であり、(1)破砕状赤血球を伴った貧血(2)血小板減少(3)腎機能障害を特徴とします。HUSの初期には、顔色不良、乏尿、浮腫、意識障害などの症状が見られます。HUSは腸管出血性大腸菌感染の重症合併症の一つであり、子どもと高齢者に起こりやすいので注意が必要です。

下痢の原因が腸管出血性大腸菌によるものかどうかは、便の検査によって調べることができます。便から大腸菌が検出された場合には「血清型」といわれる大腸菌の分類の検査やベロ毒素産生能の検査を行います。ベロ毒素産生能があれば腸管出血性大腸菌であり「血清型」の分類により、腸管出血性大腸菌O157やそれ以外にもO26やO111などであることがわかります。


万一感染していた場合、家族はどんなことに注意したらいいでしょうか?

まず必要なことは、患者さんと同じ飲食物を摂取した家族が感染していないかどうか、あるいは患者さんから家族への感染がないかどうかの診断を受けることです。この時に便の検査は、症状がなくても行われることがあります。同時に、家庭内の消毒についての知識を得て、必要な範囲での消毒を行います。また、2次感染予防のために、日常生活での患者さんへの接し方についての知識を得て実行することが大切です。

◎手洗いの励行。人から人への感染を防ぐには手洗いが最も大切である。排便後や食事の前はもちろんのこと、特に下痢をしている乳幼児や高齢者の世話をしたときには、石けんと流水でよく手を洗う。患者等の糞便に触れた場合には直ちに流水で十分に手洗いを行い、逆性石けんまたは消毒用アルコールで消毒を行う。
◎消毒の範囲は、原則として患者等の家のトイレと洗面所を対象とする。患者等の用便後はトイレの取っ手やドアのノブなど患者等が触れた可能性のある部分の消毒を行う。逆性石けんまたは両性界面活性剤などを規定の濃度に薄めたものに布を浸して絞り、上記の場所を拭き取る。患者が使用した寝衣やリネンは、家庭用漂白剤に浸漬してから洗濯するよう指導する。糞便で汚染されたリネンは消毒用薬液に浸漬してから洗濯する。患者等の糞便が付着した物品等は、煮沸や薬剤で消毒を行う。食器は、洗剤と流水で洗浄する。
◎患者等はできるだけ浴槽につからず、シャワー又はかけ湯を使う。また、風呂を使用する場合には、他の人と一緒に入浴することを避けることが必要であり、特に患者等の風呂使用後に乳幼児を入浴させない。また、風呂の水は毎日換える。バスタオル等は専用として共用しない。



無症状の保菌者にはどのように対応するか

腸管出血性大腸菌の感染は、菌に汚染された飲食物を介した経口感染であり、患者の糞便に含まれる大腸菌が直接または間接的に口から入ることによって感染し(腸管出血性大腸菌は100個程度の菌数でも感染)職場や学校で話をしたり、咳・くしゃみ・汗などで、空気感染や接触感染をするものではありません。無症状の保菌者への対応では、誤った知識から腸管出血性大腸菌の保菌者が差別や偏見が起こらないように配慮することが必要です。ヒトからヒトへの感染を予防する基本は手洗いです。

抗菌剤の使用による除菌は、年齢、職業、その他の状況を総合的に勘案して行います。例えば、(1)託児所、保育所、小学校あるいは老人保健福祉施設などでの集団生活により二次感染のおそれがある場合(2)感染した場合に重症合併症の危険性が高い者(高齢者、乳幼児等)が同居している場合(3)伝染病予防法の就業制限の対象となる職業の場合には、抗菌剤の使用を考慮します。

抗生剤は、ホスホマイシンを成人は2〜3g/日、小児は40〜120mg/kg/日を3〜4回に分けて投与する。抗生剤の使用期間は3〜5日間とする。乳酸菌製剤などの投与はしてもかまわない。


菌陰性化をどのように確認するか

患者については、24時間以上の間隔をおいた連続2回(抗菌剤を投与した場合は、服薬中と服薬中止後48時間以上経過した時点の連続2回)の検便によって、いずれも菌が検出されなければ、菌陰性が確認されたものとする。就業制限は、菌陰性となった時点で適応対象から除外される。
無症状の保菌者については、直近の1回の検便で病原体が検出されなかった場合は、菌陰性化とみなしてよい。

患者さん等の自覚に基づいて、自発的に休暇を取ったり、就業制限対象業務以外の業務に一時的についたりすること等が基本ですが、感染症法においては、都道府県知事等が当該患者本人に対して、必要に応じて就業制限を通知することになっています。就業制限の対象となるのは、飲食物の製造、販売、調整または飲食物に直接に触れる業務です。また、提供した飲食物が腸管出血性大腸菌感染症の原因となった場合は、食品衛生法に基づいて営業の停止等の措置がなされます。腸管出血性大腸菌感染症に対する就業制限は、特定の業務に対して行われ、その期間は、検便で菌が陰性化するまで(病原体を保有しなくなるまで)の間です。従って、例えば、飲食店の調理員等の業務には就業制限がかかりますが、その飲食店の会計係等の飲食物に直接触れることのない業務には就業制限はかかりません。これらの就業制限は、一定の業務につくことを制限したものであり、当該職場における就業全体を禁止したものではないので、便中の菌が陰性になるまでの一時的な業務の変更などで対応可能です。誤った知識や誤解から、患者さん等が長期の休暇や解雇などの社会的不利益を受けることのないように注意が必要です。


画像の説明

ウェルシュ菌

人や動物の腸管内、土壌、水中など、自然界に広く存在しています。
この菌による食中毒は学校などの給食施設で起きることが多く、カレーやスープなど、食べる日の前日に一度に大量に加熱調理し、大きな器のまま室温で長時間放置したことが原因で起きた事例が多く発生しています。

原因食材大量に加熱調理された煮込み料理(カレー、シチュー、スープ、めんつゆなど)
潜伏期間6〜18時間
症状腹痛、下腹部の膨満、下痢
予防熱に強い芽胞を作るため、100℃で4時間加熱性も菌は死にません。
備考「加熱済みの食品は安心」ではありません。調理済み食品の室温放置はやめましょう。調理済み食品を保存する場合は、小さな容器に小分けして、急速に冷やしてから冷蔵庫で保管しましょう。


画像の説明

セレウス菌

土壌・水・ほこりなど自然環境に広く分布しています。この菌による食中毒は、毒素の違いにより2つのタイプに分類されます。

原因食材「おう吐型」米飯、チャーハン、ピラフ、スパゲッティー、焼きそばなど
「下痢型」食肉製品、スープ、弁当、プリンなど
潜伏期間「おう吐型」 1〜5時間
「下痢型」8〜16時間
症状「おう吐型」 嘔気、嘔吐。
米飯類や麺類が原因となる「おう吐型」の食中毒が多い。
「下痢型」下痢、腹痛
予防熱に強い芽胞を作るため、100℃で4時間加熱性も菌は死にません。
増殖する至適温度は28〜35℃
備考調理済み食品の室温放置はやめましょう。調理済み食品を保存する場合は、小さな容器に小分けして、急速に冷やしてから冷蔵庫で保管しましょう。


画像の説明

黄色ブドウ球菌

この細菌は自然界に広く存在しており、健康な人でも2~3割は鼻やのど、髪の毛などにこの菌を持っています。
やけどや傷など化膿したところに大量に存在しており、手に傷などのある調理人からの汚染が原因の食中毒が多く起きています。

原因食材手指からの汚染を受けやすい食品(おにぎり、生寿司、折り詰弁当、シュークリームなど)
潜伏期間1~5時間(平均3時間)
症状激しい吐気・嘔吐、腹痛、下痢
予防菌自体は熱に弱いが、この菌が作る毒素は100℃30分間の加熱でも無毒化されません。
備考手に傷がある人は調理をしないようにしましょう。
調理中、手はこまめに洗い、常に清潔に保ちましょう。
弁当やおにぎりは冷ましてから包装し、クーラーボックスに入れるなどしましょう。


画像の説明

ボツリヌス菌

土、海、湖の砂泥中などに存在し、熱に強い芽胞を形成します。

原因食材缶詰、ビン詰、真空パック食品、いずしなど(密封された食品、空気に触れない食品)
潜伏期間8~36時間
症状胃腸炎の発症後、脱力感、めまい。症状が進むと、瞳孔散大など様々な眼の症状、物が飲み込めない、声が出ないなどの症状となり、重症になると呼吸困難で死亡することもあります。
予防毒素は、80℃で30分間又は100℃で10分間の加熱により無毒化しますが、菌体内に熱に強い芽胞をつくり、120℃4分間又は100℃6時間以上の加熱をしなければ完全に死滅しません。
備考最も死亡率の高い毒素型食中毒です。
乳児ボツリヌス症(主に蜂蜜の摂取)にも注意が必要です。

乳児ボツリヌス症
生後3週~8か月齢までの乳児に発生がみられ、頑固な便秘、弛緩性の麻痺、呼吸麻痺などの症状を起こします。本症は食品中に毒素が存在して起こるボツリヌス食中毒とは異なり、芽胞として存在しているボツリヌス菌を摂取し、その芽胞が下部腸管で発芽・増殖し、産生された毒素により発症するものです。主な感染源としては、蜂蜜やボツリヌス菌に汚染された井戸水が考えられています。