低血糖

意識障害が来たら・・・

まずは、救急のABCです。(Airway Breath Circulation)



次に救急外来ですぐにできる処置は、

呼吸、循環が落ち着いていたら、Do DONT
D:Dextrose ブドウ糖 → 低血糖
O:Oxygen 酸素 低酸素、一酸化炭素中毒
N:Naloxone 麻薬拮抗薬
T:Thiamine ビタミンB1 ウェルニッケ脳症(アルコール中毒)ダイエット



意識障害の鑑別診断「あいうえおチップスです」

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さて、低血糖です。

50%Tz2A静注

ビタミンB1 2A 100mg(one shot)もいっしょにすれば good.

10分ほどで意識が戻ります。

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重症低血糖

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糖尿病の治療薬もDPP4など多くのラインナップが出揃ってきました。一方で大規模臨床試験では、インスリンなどを使用して厳格なコントロールをしたほうが返って予後をわるくしているという結果も出てきており、その原因のひとつとして低血糖が挙げられています。最近、CGM(持続血糖モニタリング)の器械が開発され、日内変動など血糖コントロールの質が問われる時代になってきました。無自覚低血糖など本人が気が付いていない低血糖も何回も起こっていることがわかってきています。低血糖が軽度の段階では、自分で糖分を摂って症状の進行を抑えることができますが、重症低血糖は、家族や会社の同僚など周りの人の協力が無ければ対処できない状態で、多くの場合には意識がなくなっていまいます。日頃から低血糖を起こしやすいという人は、あらかじめ周りの人に重症低血糖になった場合の対処の協力をお願いしておくことが大切です。「低血糖の発作の可能性があり、その場合にはすぐに救急車を呼んで対処してほしい」という対処法を記入したメモを持ち歩くことも有効だと思います。

高齢者や腎機能低下例で、厳格に血糖コントロールされている患者さんは、重症低血糖を起こしやすい。また、昏睡時間が10時間を越えると治療後も脳障害が残ってしまう人が多かった。

最も多い薬物は、SU剤です。SU剤を飲んでいると、8〜20時間は遷延化して繰り返すことがあり、原則入院して24時間は経過をみましょう。

他の薬剤による低血糖もあります。

不整脈薬 シベノール リスモダン
NSAID   インドメタシン、アスピリン、アセトアミノフェン
降圧薬   ACE阻害薬、β遮断薬
抗生剤   クラビット

 

SU薬による低血糖昏睡の特長

(1)高齢者
(2)腎機能の軽度低下(血清Crは正常あるいは軽度上昇)
(3)グリベンクラミド、グリメピリドを服用
(4)血糖コントロールは良好(HbA1c<7.4)
(5)患者の理解力にやや難(認知症を含む)
(6)シックデイルールの説明を受けていない(家族も含めて)
(7)多剤服用中(一包化)

低血糖患者さんの25%は死亡、意識障害改善せず。(DKの死亡率は10%)

胃腸炎で食べれなくて脱水になっていて、薬を飲んで低血糖というパターンあり。プライマリケア医ではSU薬を、3剤目、4剤目で新たに追加すべきでない。インスリンのBOT(Basal Supported  Oral Terapy)持効性インスリンによる補充療法 1日1回の注射 SU薬よりも低血糖のリスクは少ない。