ミニリンメルト

夜尿症の薬として(保険適応はない)

【組成・性状】デスモプレシン(一般名)
       OD錠120μg、240μg(剤形)

【効能・効果】尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症

【用法・用量】1日1回 寝る前 120μgから 

【使用上の注意】
まれではあるが、副作用として水中毒(低ナトリウム血症、浮腫、頭痛、痙攣、意識障害)の発症があるので、夕方以降に水を飲みすぎると、水中毒の危険性があります。飲水制限を遵守させましょう。初期症状として、けん怠感や頭痛、吐き気や嘔吐などがみられますので、そのような場合は服薬を中止して下さい。

【薀蓄等】

尿量を減らすお薬です。中枢性尿崩症や夜尿症の治療に用います。そのタイプを診断するため、事前に起床時の尿を採取し、尿の浸透圧や比重を調べます。この薬の適応となるのは浸透圧低下型夜尿症(低比重多尿型)です。本剤の有効性については、起床時尿の平均尿浸透圧800mOsm/L 以下あるいは平均尿比重1.022 以下です。

ミニリンメルトOD錠120μg就寝30分以上前に水なしで飲みます。2〜4週間で判定し、週の尿回数が内服前の半分以下にならないようなら、240μgまで増量します。より長い時間効いているため、増量により有効性が上がります。尿浸透圧が上昇し、尿量が減少します。それでも効果がないようならコンプライアンス(空袋をカレンダーに貼るなど)の確認を行い、薬もちゃんと飲めていて、効果がなければ、専門医に紹介させて頂いております。

デスモプレシン酢酸塩水和物の作用機序

デスモプレシンを用いた抗利尿ホルモン療法は夜尿症に用いられる薬物で最も高いエビデンスを有しています。デスモプレシン酢酸塩水和物は、1967年に合成され、アルギニンバソプレシン(AVP)の誘導体で合成ペプチドです。この製剤は腎尿細管の集合管のV2受容体に作用し、水分再吸収を高めて尿量を減少させる。60〜70%の症例で有効とされ、国際小児尿禁制学会(ICCS)の推奨治療では第1選択の薬剤とされています。バソプレシンV1受容体に比べV2受容体に対して高い選択性を有し、昇圧作用をほとんど有さず、用量に依存して抗利尿作用が長時間持続する特徴を有します。スプレー製剤より口腔内崩壊錠のほうが、低Na血症などの副作用が少なくなります。

画像の説明

 

男性における夜間多尿による夜間頻尿に対して(保険適応)

【組成・性状】デスモプレシン(一般名)
       OD錠50μg、25μg(剤形)

【効能・効果】男性における夜間多尿による夜間頻尿

【用法・用量】1日1回 寝る前 50μg 

【警告】
本剤の抗利尿作用により過剰な水分貯留に伴う低ナトリウム血症を引き起こす可能性があり、また、デスモプレシン酢酸塩水和物を使用した患者で重篤な低ナトリウム血症による痙攣が報告されていることから、患者及びその家族に対して、水中毒(低ナトリウム血症)が発現する場合があること、水分摂取管理の重要性について十分説明・指導すること。

 

【禁忌】
(1)低ナトリウム血症の患者又はその既往歴のある患者、習慣性又は心因性多飲症の患者
(2)心不全又はその既往歴あるいはその疑いがある患者
(3)利尿薬による治療を要する体液貯留又はその既往歴のある患者
(4)中等度以上の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)
(5)チアジド系利尿剤、チアジド系類似剤、ループ利尿剤、副腎皮質ステロイド剤を投与中の患者