ヒブ

ヒブ(Hib)ワクチン

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区分任意
ワクチン接種緊急促進基金による公費補助あり
種別不活化
投与経路皮下注
1回投与量0.5ml
合計接種回数4回目
標準スケジュール1回目:生後2ヶ月
2回目:1回目の3〜8週後
3回目:1回目の3〜8週後
4回目:3回目の1年後
Catchupスケジュール【生後7〜11ヶ月】
1回目:同定し次第直ぐに 
2回目:1回目の3〜8週後
3回目:2回目の1年後
【1歳〜4歳】
1回接種のみ
【5歳以上】
接種不要
ブースタースケジュール不要
接種料1回 8000円(補助のない場合)
平成23年1月から予防接種費用の助成が始まりました。
対象者:生後2ヶ月以上5歳未満
接種料:無料


ヒブワクチン(Hibワクチン)はすでに世界では1980年代後半から導入され、現在ではアジア、アフリカを含む100カ国以上で接種されており、98カ国では定期接種になっています。

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予防効果は絶大で、Hibワクチンを導入した国ではHib髄膜炎はほぼゼロにまでなくなっています。 日本でも、ようやく2008年12月から発売になりましたが、供給不足が続いており、予約をしてもすぐに接種できない状態ですが、2010年夏以降には状況が改善されるようです。


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ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型による感染症です。(冬に流行るインフルエンザとは全く違う病原体です)脳を包む髄膜(ずいまく)、のどの奥の喉頭蓋(こうとうがい)、肺などに炎症を起こします。日本では毎年約千人が細菌性髄膜炎になっていますが、60%がこの菌によるものです。病気の始まりはかぜなどと区別がつきにくく、早期発見は困難です。その後にけいれんや意識障害が出てきます。抗菌薬が効かない耐性菌も多く、治療に難渋します。亡くなる子どもも5-10%いて、脳の後遺症が30%くらいに残ります。のどの奥に起こる喉頭蓋炎でも大変重症になり、死亡することも少なくありません。


細菌性髄膜炎は小児では最も重篤な感染症として知られています。発症年齢は0~2歳児が最も多く、4歳までの子どもが大部分をしめています。

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ワクチンは、生後2カ月齢以上5歳未満の任意接種となりますが、 接種回数は年齢により異なります。接種の方法は、生後2カ月齢以上7ヶ月齢未満で接種することが標準的に勧められており、生後3カ月で、BCG接種した後で4週間あけて(生後4カ月齢)からの三種混合(DPT)接種との同時接種が可能で、左右両腕にDPTとHibワクチンをそれぞれ接種することが可能です。接種回数はDPTと同じで1期3回、1年後に追加1回の計4回接種です。ただし、生後7カ月齢以上12カ月齢未満の場合は、初回免疫は2回で、4~8週の間隔をあけて行い、追加免疫は、初回免疫後おおむね1年の間隔をおいて1回です。接種開始年齢が1歳以上5歳未満の場合は通常1回のみの接種になります。5歳以上の子供には「ヒブ」による感染症はほとんどありませんので、接種は不要です。 小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種も可能です。

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このワクチンの副反応は、注射した場所の腫れや赤みで、1000人に2人くらいです。熱の出たお子さんは1000人に1人以下です。

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ヒブ感染症にかかったみほちゃんの場合

みほちゃん(仮名)は生後7ヵ月の女の子です。かかりつけの小児科の先生のとこで、BCGと三種混合の接種はすでに済ませていました。

ある晩、急に39℃以上の熱が出て不機嫌になったので、地域の小児科の救急当番病院を受診しました。当直の小児科の先生は、念のため検査をしておきましょうと言って、採血してくれました。結果は白血球数も正常、CRPという検査値も正常ということでした。当直の先生からは突発性発しんかもしれません、熱が続くようなら明日の朝にかかりつけの先生を受診してくださいねという説明を受け、帰宅しました。

翌朝になると昨晩よりもぐったりしているような感じでした。心なしか顔色もやや悪いように見えました。お母さんは急いでかかりつけの小児科を受診しました。小児科の先生はみほちゃんの顔色を診るなり、検査しますと言って、すぐに指から血を採りました。検査の結果は、白血球数は2万、CRPも10近い値でした。急いで昨晩の病院に連絡を取り、緊急入院することになりました。昨晩の当直医は帰っていたので、別の小児科医が主治医となりました。髄液検査を行うと、髄液の白血球は増加、髄液の糖は低下で、典型的な細菌性髄膜炎でした。

細菌性髄膜炎として型どおりの治療を開始しました。髄液からはヒブ菌(Hib菌:ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型菌)が検出されました。一時はけいれんも起こしましたが、幸い薬剤耐性菌ではなかったので、比較的良好に回復しました。それでも2週間は点滴を続けなければなりませんでした。入院は1か月以上で、その間に何度も髄液検査をされたり、脳のCTやMRIを撮影しなければなりませんでした。退院時に、精密な聴力検査の結果では軽度の難聴になっているようなので、慎重に経過を追っていく必要があると説明されました。最初に診た当直の先生はしばらくの間、予想外の展開に落ち込んでいましたが、ヒブ菌による髄膜炎の早期診断は不可能という論文を教えてもらい、問題はヒブワクチンが導入されていないことであると知って、少しは気を取り直したようです。

みほちゃんは3歳になり、現在では明らかな後遺症もなく、健やかに成長しています。お母さんはヒブワクチンが10年以上も前から世界中で使われていることを、小児科の先生から教えてもらいました。日本でもヒブワクチンが接種できるようになっていたら、みほちゃんは危険な目に遭わなかっただろうと考えると、無性に腹が立ってくるそうです。妹も生まれ、3か月になってすぐにBCGと三種混合を接種しましたが、本当なら2か月からヒブワクチンを受けさせたかったのにということでした。