腎臓を提供する方をドナー(提供者)といいます。一方、移植を受ける方をレシピエント(受腎者)と言います。生体腎移植のドナーは原則的に親族に限ります。日本移植学会の倫理指針で親族とは6親等内の血族、配偶者と3親等内の姻族に限られております。以前はほとんどが親子間、兄弟(姉妹)間でした。しかし、最近では夫婦間移植が増えており、生体腎移植全体の約40%を占めています。夫婦間は一般的に親子間、兄弟(姉妹間)より組織適合度が低くなりますが『免疫抑制薬』の進歩により、拒絶反応の頻度や移植成績は親子間、兄弟(姉妹)間と差がなくなっています。献腎移植のドナーは心停止後の方や脳死の方です。

自分の親は1親等で、祖母、祖父は2親等です。またお子さんは1親等で、ご兄弟は2親等ということなります。図には記載されておりませんが、甥御さん、姪御さんは3親等で、いとこは4親等です。この方々よりも遠い方でも、6親等、つまり、はとこ(再従兄弟)でもドナーになることはできます。ただ、現実的には親、兄弟がドナーとなられることが多く、叔母、祖父、いとこなどからの提供もたまにみられますが、少ない状況です。また、近年非常に増加している夫婦間移植は、配偶者からの提供ということになります。そのご兄弟からの提供は姻族2親等からの提供、さらにその子からの提供は姻族3親等からの提供ということになりますが、そこまでは倫理上問題はありません。

親族

「永年一緒に勤めた会社の部下からの提供は可能か」米国などでは利害関係のない知人からの善意の提供が認められておりますが、日本においては基本的には認められておりません。他人からの提供は移植学会の倫理委員会での承認が必要ですが、これまでに10数例の審査がなされているようです。日本においてのハードルは高いと思っていただいた方が良いと思います。そして、例え親族6親等内、姻族3親等内からの提供であっても、提供に強制、および金銭その他の金品の授受がないことが大原則であることはご理解下さい。また「永年同居(同棲)されていたパートナーからの提供は出来ないか」ということも非常に良く聞かれます。数年にもわたり事実婚であることが疑いのないことが裏付けられても、婚姻関係を結んでない相手は、法律上他人ですので、そのままでは提供が不可能だと言わざるを得ません。婚姻関係を結ばれてからすぐに受診されるケースも、周囲からは移植のための婚姻と誤解されることもありますので、事実関係を良く確認させていただいてからドナーとなられることへの許可を出させていただくことが多いです。この点に関しては移植学会でも、婚姻後一定の期間を設ける、という案も議論されたことがありますが、現在のところ婚姻期間については一定の決まりはありません。以上をクリアしても皆がドナーとなれる訳ではありません。健康であることが大前提です。