小児救急

緊急の時に救急車を呼ぶことは遠慮する必要はありませんが、こんな時どうすればよいの?と迷ったら救急車を呼ぶ前に、受診する前にチェックしてみましょう。

心配なら電話相談してみましょう。(インターネット相談もあります)

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虫垂炎

大人の虫垂炎の様に典型的な症状、経過をとらないので、安易に否定しないように診察しなければなりません。好発年齢は、学童期>思春期>乳幼児です。3〜4歳では、解剖学的に盲腸の開口部が広い漏斗状になっているので閉塞しにくいと言われています。年少時で虫垂炎になった時は、虫垂壁が薄く、大網が未発達なために高率に穿孔して腹膜炎になる危険性が高いとされています。

急性虫垂炎のスコアリングには、小児を対象とした「Pediatric Appendicitis Score(PAS)」があります.PASでは,右下腹部に移動する痛み:1点,右下腹部痛:2点,咳・跳躍・打診による叩打痛:2点,嘔気・嘔吐:1点,食欲不振:1点,発熱(38℃以上):1点,白血球数増加(10000/mm3以上):1点,左方移動(好中球7500/mm3以上):1点というスコアになっています.合計スコアが,3点以下では帰宅が可能で翌日再評価,4-6点では2次入院施設での絶食下における4-8時間毎の診察と検査あるいは画像検査による評価,7点以上では急性虫垂炎と診断し手術対応可能な施設へ紹介となっています。

虫垂炎

 

腸重積

腸重積

腸の一部が、他の腸の中にもぐりこんで、二重になってしまい、腸閉塞(イレウス)症状をおこす病気です。はっきりした原因は分かっていませんが、風邪などで腸の壁のリンパ節が腫れ、腸の動きが制限されるとおこりやすくなるようです。最も多いのは、小腸の末端(回腸)が大腸のはじまりの部分に入り込む形です。2歳未満が80%(4〜9ヶ月に多い)の乳幼児におこりやすく、5〜10%で再発することもあります。4歳以上ではほとんど起こりません。男の子は女の子の約2倍多いです。元気に遊んでいた子供が突然、腹痛で泣き出し、嘔吐し始めます。腹痛を訴えられない赤ちゃんの場合は不機嫌になったり、急に激しく泣き(啼泣)出します。2~3分で痛みはおさまり、また遊び始めたりします。このようなことを20~30分おきに繰り返します。痛みの激しい時と平気な時が、繰り返し起こるのが特徴です。この時おなかを触ると、おなかの右上の部分にしこりが触れることもあります。そのうちだんだんぐったりしてきて食欲もなくなり、入り込んだ腸管粘膜が傷つき、いちごジャムのような血便が出始めます。(浣腸で確認しましょう)発症早期では、嘔吐、血便、腹部腫瘤の三主徴がすべて揃うのは20%と言われています。ほとんどの場合は、高圧浣腸でなおります。再発した時も、まず高圧浣腸を行います。高圧浣腸をしてもなおらない場合や、発症から長時間(72時間程度が目安)たち、高圧浣腸が危険な場合は手術になりますので、早期発見が大切な病気です。

鼠径ヘルニア

お腹の中にある臓器(小腸,大腸,大網という膜,女児であれば卵巣,卵管)が飛び出してきて,鼠径部が腫れてくる病気を鼠径ヘルニア(脱腸)といいます.原因は胎生期後半に精巣が腎臓の下あたりから鼠径部に下降して 来陰嚢内に下降した後は,多くの場合は自然に 閉鎖してしまいます.る時に腹膜が鼠径部に伸びてできた腹膜鞘状突起という腹膜の出っ張りが鼠径部に残っていることにあります.腹膜鞘状突起は,女児に精巣下降はありませんが,同じ現象が発生します.精巣が右にも左にも出ることがあり,両側に認めることもあります.片側の鼠径ヘルニアの手術後,反対側に鼠径ヘルニアが出てくる確率は 10%程度といわれています.性別では男児だけでなく女児にも同様にみとめます.1歳以下の男児に多く(男女5:1)こどもの外科手術では一番多い病気です.発生率はこどもの1~5%とされています。

鼠径ヘルニア

飛び出した腸管が、ヘルニア盲を通ってすぐにもどれば、問題ないわけですが、戻らなくなってしまった状態をヘルニア嵌頓 といいます。嵌頓した状態が長く続くと

全体の7%が嵌頓 早ければ3〜4時間で腸管壊死に至るためいつから不機嫌かを確認する

ヘルニア門に向かってすぼめるように押して行く ヘルニア門を揉んで緊張をほぐしておく

ぐじゅぐじゅという消化管の蠕動が感じられれば、ほとんど100%還納できる整復できます。といいますこの狭い場所で締め付けられ,飛び出した組織の血流が悪くなることがあり,これを.一度,ヘルニア嵌頓を起こすと脱出した臓器はむくみ,硬くなりお腹の中に戻りにくくなります.こどもは痛みのため,不機嫌になります.このよ うな時は両親が,慌てずに抱っこなどして泣かさないようにしてから,時刻に関係なく直ぐに主治医に連絡してください.

 年少児の鼠径ヘルニアは自然に治ることもあるといわれていますが,自然に治ることを過度に期待して手術時期を遅らすことは良くありません.原則として, 嵌頓傾向のないこどもさんの場合,施設により異なりますが生後4~6ヶ月以降に予定手術としますが,少しでも戻りにくい場合は早期に手術しても問題はあり ません.入院期間は1-5日程度で,日帰り手術の施設もあります.手術はヘルニアの原因になっている腹膜の出っ張りをなくし腹圧がかかってもお腹の臓器が 脱出しないようにします.

 鼠径ヘルニア手術は,簡単な手術のように考えられがちですが,専門的には難しい側面が多く,小児専門施設での治療が不可欠です.

 

精巣(精索)捻転症

精巣捻転

陰嚢内が痛む病気には、精巣捻転、精巣上体炎(副睾丸炎)精巣垂や精巣上体垂などの捻転、および精巣炎などがあります。精巣捻転は、精巣がそれにつながる精索を軸としてねじれて血管が締め付けられるため血流が途絶し、精巣が壊死する病気です。

急激に精巣が発達する(大きくなる)思春期前後の青少年に多く、寝ているときに発症することが多いのが特徴です。激しい陰嚢部痛で始まり、次第に陰嚢内容が腫れてきます。吐き気や嘔吐を伴うこともあり、症状が正確に伝えられない年少児では、「おなかが痛い」という訴えのために見落とされることがあります. 6~12時間以内に血液の流れを回復しないと精巣は壊死しますので、発症早期の診断治療が重要で医師や患者がこの疾患を念頭におくことが重要です。

精巣機能を温存するためには、発症6〜8時間以内の緊急整復が必要。転送までの間は氷で冷やす

突然(何時何分の発症を言える)

腹痛、胃痛などを訴える

診断はドップラー超音波検査という方法で精巣への血液の流れが低下していることを確認することです。下にのべる精巣上体炎や精巣垂あるいは精巣上体垂捻転などとの鑑別が必要ですが、診断が確実でない場合は緊急手術が勧められます。

治療は、ねじれた精索を戻して血液の流れを回復させて精巣を陰嚢内に固定することで、緊急手術として行われます。時間が経過して精巣がすでに壊死に陥っている場合は、精巣を摘出します。残った健康な側の精巣も今後ねじれないように同時に固定する場合も多いです。

体重あたり2mlで

最も便秘が多い。浣腸してはいけない小児救急疾患はないので、診断、治療のために浣腸する